ピティナ調査・研究

第039回 離れていくマリヤ

ショパン物語
1.ポーランドへ帰るマリヤ達 1836年10月半ば、テレサ夫人はマリヤ達を連れて、夫のヴォジンスキのいるポーランドのスウジェヴォの家に帰っていた。 ショパンとしては、テレサ夫人がヴォジンスキ氏にマリヤとの婚約のことを話して早く同意を得てくれるように願っていたが、テレサ夫人からの手紙は一向にそのことに触れようとしなかったという。
2.マリヤからの手紙 テレサ夫人の手紙に追伸としてマリヤの手紙がついてきていた。初めの頃(1836年10月10日)は「来年はあなたにお目にかかるのを楽しみにしています。遅くとも5月か6月までに」という内容だった。 しかし、その後1837年1月ぐらいになると、テレサ夫人の手紙の内容は、ショパンが贈った楽譜について文句を言ったり、冷淡なものになっていき、マリヤの追伸も「雪解けのニュース以外にお知らせすることは何もありません」というそっけないものになった。
3.不安 この頃、マリヤとの結婚のことで不安になっていたショパンは有名な女占い師に見てもらいにいったりしていたという。 そのことについて、ユスティナ母さんからも「もう二度と占いには見てもらわないと約束してください」という手紙がある。
林 倫恵子(はやしりえこ) 漫画家・ピアノ指導。ホームページ