第023回 恋の始まり
1.ヴォジンスキ一家 ヴォジンスキ家の3人の息子達は、昔、ニコラ父さんの経営する寄宿舎で暮らし、フレデリックの遊び友達でもあり、ショパン家と家族ぐるみのお付き合いをしていた。
ワルシャワ蜂起失敗後、ヴォジンスキ一家はドレスデンへ移住、その後ジュネーヴへ移り、またドレスデンに引っ越していた。
一家の長(マリヤのお父さん)であるヴィンツエンティは、この時にはポーランドに戻っていたようだ。
フレデリックが訪ねた時、長兄のアントニは留守だったが(アントニとはすでにパリで会っていた)、次男フェリックスと三男カジミェシとは久しぶりに旧交を温めた。
2.マリヤ・ヴォジンスカ ワルシャワにいた頃はまだ子供で、ショパンは時々ピアノを教えてやったりしていた。 そしてそのマリヤ嬢も16歳になり、何ヶ国語も操る教養高い才媛に成長していた。
ピアノも歌も絵も上手でなかなかの腕前だったという。詩も好きで文学にも通じていた。
林 倫恵子(はやしりえこ) 漫画家・ピアノ指導。ホームページ