第012回 ショパン先生のピアノレッスン
1.ショパンのピアノ教授 生徒は、教養として習う夫人や令嬢といえど、ピアノの腕は上級者で、初心者の弟子はとらなかったという。もちろんプロ志望者もいた。
ショパンは、練習は短時間で集中して行うように助言し、プロを目指す生徒にも1日3時間の練習量で良い、と言っていたという。
微妙なニュアンスを生み出すペダリングには細心の注意を払い、生徒がペダリングを間違えると大変厳しく注意したらしい。
そしてニュアンスを創る技術は、ペダリングのほかに、音に対するアタックの仕方が大きく関わってくることから、タッチ(触鍵)にも気を配ったという。
2.ショパン先生のレッスン料 20フランという高額なレッスン料であったという。ちなみに当時の20フランは、最近の(今はユーロになってしまったが)5000フランに該当するらしい。(1997年のレートでは1フラン=23円) というわけで、ショパン先生の1回のレッスン料は現在の日本円に直すと10万円を超える額になるのである。ショパンは1日(といっても費やす時間は半日)に5、6人ほど教えていたので、これだけで相当の収入になった。(1日で60万円~70万円近く、稼いでいたことになる・・・)
3.バッハの平均律 バッハとモーツアルトを敬愛していたショパンは、とくにバッハの「平均律」は最大の注意を払って弟子にも勉強させたという。
4.ショパンが習ったピアノの先生 ショパン自身は、6歳から12歳までジヴヌイ先生にピアノを習い、後はピアノに関しては独習だったらしい。
ワルシャワ音楽院では作曲と音楽理論を学び、それに関してはエルスネル先生についていた。
林 倫恵子(はやしりえこ) 漫画家・ピアノ指導。ホームページ