第3回 ジャズ系:ブギウギとは?

ジャズは1900年頃、アメリカ南部のニューオリンズで発生したといわれています。アフリカからアメリカに渡った黒人の間に広まっていった音楽(舞踏・音階・複合リズム・コール&レスポンスなど)とヨーロッパの音楽(和声・楽器など)に、即興演奏の要素を加えたものがジャズの原点です。ブルース、ラグタイムなどの音楽を母体とし、デキシーランド・ジャズ→スウィング・ジャズ→ビ・バップ→モード・ジャズ→フリー・ジャズとより自由なスタイルへ発展していきました。
ピアノ教材はもとより、クラシック系のコンクール課題曲にも、「○○ブギ」という曲名を見かけますが、曲の冒頭に、「速いブギで」「明るいブギ・ビートで」なんて書いてあると、「どう弾けばいいの?」とお困りの方も多いことでしょう。以下、「ブギウギ」のリズムのルーツと特徴、ピアノ教材などを深掘りしていきましょう。
連載1、2回目で「ブルース」を取り上げましたが、今回取り上げる「ブギウギ」もブルースのジャンルのひとつです。2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』の題材としても話題になりましたね。
「ブギウギ」とは、ピアノで演奏されるテンポの速いブルースの演奏スタイルを指します。ピアノによるダンス音楽として1920年代末頃にアメリカで人気を博し、その後ドラムやギターなどを加えたデュオ、トリオ・スタイル⇒ビッグバンドへと発展しました。
「ブギウギ」の名称は、パイントップ・スミスが1928年のレコードに録音した歌の曲名《パイン・トップス・ブギ・ウギ》に由来しています(彼は録音の翌年、シカゴのダンスホールでの騒動に巻き込まれて射殺され、25歳の若さでこの世を去りました)。その後、1938年カーネギー・ホールの『フロム・スピリチュアルズ・トゥ・スイング』(保守的なホールで黒人たちがメインで演奏した、史上初のコンサート)の大成功により一躍脚光を浴び、ブギウギブームが起こりました。ブギウギの流行は1950年代前半まで続き、「ジャンプ・ブルース」(ブギウギを取り入れた、アップテンポでリズミカルなブルース)や「リズム&ブルース」、「ロックン・ロール」などにも多大な影響を及ぼしました。
アメリカ テキサス州北東部

- 2010年5月、テキサス州マーシャル市の委員会が、同市をブギウギ音楽の「発祥の地」とする宣言を公式に行ないました。
- 日本においての発祥の地は、ブギの女王・笠置シヅ子を輩出した大阪や東京と考えられています。
ブギウギのリズムは、「ディープ・サウス(アメリカ深南部)を走る蒸気機関車が発するリズミカルな音」をイメージさせるとも言われています。以下、一般的なリズムパターンを2つあげておきます。どちらの場合も、ベースは「1小節に8つ」演奏します。

(ドット パッパと明るくハネる)

次に、これらの特徴を、ピアノ教則本・曲集で具体的にみていきましょう。それぞれのベースパターンと、その伴奏形を使用している曲(収載楽譜)を列記しますので、お手持ちの楽譜と確認してみてくださいね(分かりやすいように、すべてキーCで記載)。初級用アレンジでは、難易度の関係でベースは4分音符表記となっているものもあります。年少者には、「となりのトトロに出てくる《ねこバス》のリズム(譜例8)」といえば、すぐにイメージしてもらえることでしょう。

また、実際のリズムの習得方法、演奏法&指導法についてはeラーニングにて詳しく紹介しておりますので、ぜひこちらも参考にしてください。

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