第18回 加賀 美江さん
近年のマイブームは「着物」と「ワイン」。外出時はいつも和服ですって。本日の着物&帯は、かわいい音符柄!!
いつ頃作曲家を目指そうと思われたのですか?
ピアノは幼少から習っていましたが、特に音楽に熱心な家庭でもなかったですし、音大に行くつもりはなかったんですよ。ただ、中学の音楽の授業で、ドヴォルザークの『新世界』を聴いたときに感動してしまって...「どうしたらこんなすごいものが書けるんだろう」とビックリしたんです。音楽の先生に尋ねたら、「音大の作曲科に行くと、こういったオーケストレーションの勉強ができるんだよ」と教えてくれました。そこで急に音大を意識し始めたわけですが、受験期ということでピアノも中3のときに辞めさせられてましたし...とにかく親をまず説得しなくては、と知恵を絞りましたね。そこで、高校受験を利用して、「学費のかからない都立に進むから、そのかわりレッスンを受けさせて。そうでなければ、学費の高い私立に進むから」と交渉したところ、親もそこでようやく本気だとわかってくれたようです。でも、そこからがまた大変で、ツテも何もないので...まずは電話帳で、音大受験のレッスンを受けられる所を片っ端から探したんですよ(笑)。
正に波乱万丈、ご自分で道を切り開かれたわけですね。
その後についた先生の紹介で、高2のときから三枝成彰先生に教えていただくようになりました。在学中は、劇伴の仕事や、ゲーム音楽、歌謡曲のピアノアレンジなどもやってましたね。ただ、研究科を修了する頃には、ピアノの指導も長くしていたので、出版するならピアノ教育関係で、と思うようになりました。
そこから、次々とロングセラーとなる、教本・教材を生み出されたわけですね。どの本も、選曲が幅広く、見やすい譜面ということで、生徒にもピアノ指導者にも大変好評ですよ。
ありがとうございます。例えば、新刊の『子どものためのピアノ曲集』では、ピアノ指導者にアンケートをとったり、携帯のダウンロードベスト10なども参考にしました。CMで有名になった『チェッチェッコリ』や、インターネットで人気の『イエヴァン・ポルッカ』などと、レッスン定番の曲をバランス良く入れてあります。
「加賀さんの本は、どれも歌詞が書いてあるのがうれしい!」との声もたくさん届いていますが...
これは私のこだわりで、現場で教えていると、歌詞がないと困るんですね。出版社にはいい顔はされないのですが...何とか理由をつけて掲載してもらってます。私の強みといえば、教えていることだと思うんですね。なので、伴奏も、その場で先生がすぐ弾けるようなアレンジを心掛けています。
レッスンでは、教材や選曲はどのようにされてるのですか?
導入期の子どもたちの教材は、ひとりひとりに合わせて、私が手作りしています。もう少し上の年代になると、"知ってる曲を弾きたい"というのが、生徒たちの一番の楽しみなので、基本的に、生徒の弾きたい曲を取り上げますね。
ではここで、毎年ポピュラー課題曲の人気上位曲に入っている5曲について、ワンポイントアドバイスをお願いします。(以下囲み参照。)
最後に、今後の抱負を一言お願いできますか?
ピアノ教師としては折り返し地点に来ているように感じています。私がピアノ教師になった頃とは状況が大きく変わりました。電子ピアノ・キーボードの台頭、保護者様方の意識の変化など、折り合いをつけながら、この先の「ピアノレッスン」をどう捉えていくか、大変大きな課題だと思っています。
作曲活動では、管弦楽・室内楽を書いていきたい...それが昔からの一貫した思いです。
ちびっこサンタとメリークリスマス
■ (株)ドレミ楽譜出版社
■ 定価1,260円(税込)
~たのしくひこう発表会で使える名曲選
■(株)ドリーム・ミュージック・ ファクトリー
■ 定価1,050円 (税込)