第10回 金益 研二さん
◆公式サイト(CDの試聴も有)
ポピュラー音楽を始められたのはいつ頃でしょうか?
小学1年から、エレクトーンとピアノを習っていたので、コードには自然に親しんでいました。といっても、芸大時代はクラシック中心でしたね。歌の伴奏が好きでよく引き受けていましたが、クラシックコンサートでもどこかに1曲ポピュラーを入れることが多く、そんなとき、楽譜がなくても弾けるので重宝がられていました。
タンゴを中心とした活動を意欲的にされていますが、いつ頃からどういうキッカケで始められたのですか?
大学卒業後に、バンドネオン奏者の方と知り合ったのがキッカケですっかり魅了され、ブエノスアイレスで一ヶ月ほど修行もしたんですよ。タンゴは、クラシックとポピュラーの面白いところがミックスされていて、演奏時間も3~4分で完結するものが多く、それでいてドラマティック!とっつきやすい点も魅力ですね。
2005年の「パイプオルガン+バンドネオン」コンサートは、チケット完売(1400席)と大盛況だったそうですが、面白い楽器の組み合わせですね。
大学時代に副科でパイプオルガンを専攻していたこともあり、このコラボを思いつきました。バンドネオンは、当初ドイツで作られ、賛美歌を弾くためのポータブル・オルガンとして使われていたので、それほど意外な組み合わせでもないんですよ。
CD「ジブリのせかい~ピアノの調べ」や、課題曲《ホール・ニュー・ワールド》収載の「JAZZアレンジで弾くディズニーVol.2」は、どの曲も心地よく、耳と心にやさしい響きですね。アレンジされる際に注意されていることは?
ひとつの曲集の中で、同じタイプのものが重ならないように特に気をつけています。アレンジする際には、どういうコンセプトにするかをまずよく検討して、原曲に忠実にするのか、完全に違うタイプにアレンジするのか、この辺をハッキリさせれば、あとは早いです。アレンジに行き詰まったときには、共演者からヒントをもらったり、ピアノ以外の楽器からインスピレーションを得ることが多いですね。
演奏も大変素晴らしく、聴きほれてしまいましたが、ポピュラーを演奏するコツなどは何かありますか?
「クラシック」と「ポピュラー」をあまり違うものと考えず、「ポピュラーは難しい」と思わないことですね。基本的にビートの上に乗っかる音楽なので、ビートの中で歌うということを心掛けるとよいと思います。いろいろな音楽をたくさん聴くことも大事で、原曲を聴き込むことにより、ピアノソロでは実際鳴っていない音も感じられるようになります。ただ、日頃聴いてた曲が、実は原曲ではなかった(笑)ということもあるので、要注意!ですが。課題曲《ラ・クカラチャ》のワンポイント・アドバイスも、譜例に記入してみましので、参考にしてください。
最後に、今後の抱負をお聞かせください。
今まではいろんなことを吸収したいという思いが強かったのですが、そろそろ今までの活動をまとめて、ピアノを中心とした活動もしていきたいですね。特にオリジナル曲を中心とした活動ということになりますが、いろいろなジャンルを消化していきたいです。10月10日に行う「アルゼンチンタンゴ・コンサート」は、オリジナルはもちろんのこと、《リベルタンゴ》《ラ・クンパルシータ》などの有名曲、歌と朗読などもあり、タンゴに親しむ機会にしていただければ嬉しいです。
■¥2,000
■ 編曲・演奏:金益 研二
ラテン&ジャズ
■¥1,500+税
■編曲:熱田公紀/金益研二
■¥2,500+税
■編曲:金益研二他