第9回 デュエットゥ(かなえ&ゆかり)さん
(デュオピアニスト、作・編曲家)
◆オフィシャルHP
お名前の由来は?
私たちの恩師、ロナルド・カヴァイエ先生が、国際的に通用するようにと命名してくださったのですが、連弾(デュエット)&2台ピアノ(トゥピアノ)を組み合わせた造語です。
デュオを組まれてから15年、順風満帆のご活躍ぶりですね。
いえいえ。デュオ結成後、まずピティナコンペの特級をこの東音ホールで受けたのですが、そのときは予選次点。ショックで2日間泣き明かしたんですよ。でもこの経験があったからこそ、その後頑張れたんだと思います。なので、このホールが私たちの出発点ともいえるかも(笑)。
留学後はどのような勉強をされたのですか?
ハンガリーの作曲家、クルターク氏の作品『遊び』(日本では全音楽譜出版社刊)で音作りの勉強をしました。リラックスして、7つの音だけで同じ空気感を作るのですが、相手の音を聴いてそれに反応するのはとても難しく、1年ほどはこのトレーニングばかりでした。今でもウォーミングアップで行っていますが、音の作り方などが自然に身体に入ってきて、演奏しやすくなるんですよ。
課題曲にも入っている、『ベートーヴェン&モーツァルト連弾パーティー』の完全対応CDも出されてますが、「連弾は音が先にあると助かります!」と大変好評ですよ。
それはうれしいですね。ポピュラー特有のノリが必要な曲も多く、しかも手書きの楽譜が録音当日の朝に届いたりと、それは大変だったんですよ。ポピュラー曲の場合は、私たちは弾くパートを逆にしたりと、音作りも工夫しています。
新刊『笑う連弾・泣く連弾』も、ブギウギ版《ぶんぶんぶん》、情熱的で華やかな《カルメン・メドレー》、鍵盤ハーモニカの持ち替え可能な《チャールダーシュ》など楽しい曲が満載ですね。
コンサートで好評だったものばかりなので、発表会などでも大いに活用してください。幼少の頃、「ピンクレディーの曲を弾きたい!」というのがピアノを習い始めたきっかけなので(笑)、かっこよい《UFO~ラテン版!!》も入れました。ラテンダンスを習っているのも、アレンジや演奏に役立っていると思います。
ではここで、ステップ課題曲《エンターテイナー》について、アドバイスを。
ポイントは冒頭の弾き方です。ピアノで弾く前に、歌って受け渡しの練習をするとよいでしょう(譜例参照)。私たちは、楽屋でもよく歌います。歌えば、相手の呼吸も間の取り方もわかりますよね。CDも参考にしていただければと思います。
最後に、読者の皆さんに一言お願いします。
連弾は、「相手の間違いは自分の間違い」と思うくらいパートナーのことを考えて、助け合いの精神で演奏して下さい。そして最後はやっぱり「心から楽しんで演奏する!」ということですね。
■ 2,800円+税
■ デュエットゥ
■ 1,470円+税
■ 木内かなえ・ 大嶋 ゆかり著
■ 1,470円+税
■ 木内かなえ・ 大嶋 ゆかり著