第6回 春畑 セロリさん
作曲はいつ頃から?
3歳半からおじいさんの先生に教わったんですが、教本を使わずにその場で楽譜を書いてくださる先生だったので、"書く"ということに違和感がなかったですね。私の最初の作品は「朝の散歩」という曲でした。さすがにその後はチェルニーなどの教本もやりましたけど。中3の時から芸大の教授について、本格的に作曲も学びました。
先生のアレンジは奇想天外で、タイトルもユニーク!ですが、こういう発想はパッと閃くものなのですか?
どこで閃くかは自分でもわからず、旅先で浮かぶことも多いですね。アレンジは、大抵先に企画ありきですが、大枠が決まっていて、その中で選曲やアレンジコンセプトを考えるのはすっごく得意!タイトルもどんどん浮かんじゃう。でも、実際書くのはシンドイ(笑)エンジンがかかるのにものすご?く時間がかかるタイプで、持久力や集中力がもっとあれば今の3倍は仕事ができるはず、と思います。
春畑先生の曲はステップでも大変人気が高く、またアドバイザーのリクエストも多いとのこと、各地のステップで印象に残ったことはありますか?
本当に上手に弾いていただいてびっくりしました。私の作品の中で、今まで聴いたことのないような、初めて演奏してくださる曲も続出で、すごく楽しかったです!
ステップ課題曲にも、先生のアレンジされた曲がたくさんありますが、中でも人気の高い「ベートーヴェン連弾パーティー」についてワンポイント・アドバイスをお願いできますか?
それでは「揺れる瞳のエリーゼ」についてご紹介しますね(譜例参照)。この曲は、実はラオスの帰りの飛行機の中で、"ビエンチャンの街角"のイメージとして突然浮かんできたんです、うふふ。
「揺れる瞳のエリーゼ」(ステップ発展4課題曲)のワンポイントアドバイス
今春出版された「コードネームを弾きこなそう BOOK1~3」は、ドリル形式で毎日楽しみながら進められると話題ですが、正にピアノの先生方のために書かれたそうですね?
理論書でなく、"コードネームを弾きこなすための実践本"なので、最初から良い響きのヴォイシングで弾けるように書きました。1巻のメジャーコードの段階からセンスを磨けるので、3巻まで進むといつのまにかコードのことがわかっている、という本なんです。耳を育てつつ、手もパッと良い配置に置けるようになると思いますよ。
それは、夢のような本ですね。アレンジする際に大事なこと、気をつけていらっしゃることは?
一番大事なことは、スタイルの把握だと思います。ジャンルやスタイルが決まれば、マッチングするコード付けが自然と決まりますよね。ピアノアレンジは弾きながら書きますが、自分のテクニックの中で収めてしまわないように気をつけています。
これからアレンジに取り組む先生方に、一言アドバイスを。
先生方は音楽家としてはプロなんですから、自信を持っていただきたいですね。良い「耳」も持っていらっしゃるので、自分が弾いて気持ちのよい音、カッコよい音を探して書いていけば、まず第一歩は踏み出せると思います。ぜひ探り弾きもいっぱいしてみてください!
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※CD「ベートーヴェン連弾パーティ」:2,500円+税(クリエイティブ・コア株式会社)
■春畑セロリ 著
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■Take II Keys 編(原川健・春畑セロリ・秋透・布施威)