第2回 橋本 晃一さん
橋本先生とは、「ポピュラーピアノ講座」や楽譜出版等の仕事を通して随分長くお付き合いさせていただいております。先生が芸大で勉強されていたのはクラシックだと思いますが、ポピュラーは独学で習得されたのですか?
習い事としてのピアノは小学5年生で一時中断していたのですが、ちょうど中学の頃フォークソングが流行り、友達がギターでコードを弾くのを見て、自分はそれをピアノでできないものかといろいろ試みているうちに、自然とコード奏法が身についたみたいです。大学時代は、ポピュラーのアレンジやBGM演奏の仕事もアルバイトとしてやっていました。
そのように自然に身につけられるのは理想ですよね。これから取り組む先生方や生徒さんが、無理なくコード奏法を身につけられるトレーニング法があればご紹介いただけませんか?
僕は「右手でメロディー、左手でベース、その間で適当にコード」を無意識に押さえているのですが、ピアノの先生方を長年教えていて、皆さんにはそういう経験がないことに気付きました。その無意識で行っているものを、順序立てて無理なく習得できるような形にしたものが、「ピアニストのためのコードフォーム完全マスター」です。
ハノンなどと同様、何度も繰り返しトレーニングすることが大事ですね。さて、15年ほど前に出版された「おとなのためのピアノ教本」、「やっぱりピアノがすき!」、そして「ピアノひけるよ!」などのシリーズは、教則本として今や定番となっていますが、いつも感じるのは先生のアレンジはとにかく譜面が見やすく、弾いてみようと思わせるオーラが出ていますよね。初~中級レベルのアレンジで特に気をつけていらっしゃる点は何でしょうか?
1.対象者に合わせた選曲、2.指使い(指くぐりやポジション移動)、3.ペダルの表示、4.対象者に合わせた見やすさなどに配慮しています。ペダルは先生方は無意識に入れてますが、初心者はそうはいかない。どこにどのくらい入れるのかハッキリわかるように表示しています。また、片手が何か難しいことをしている場合は、原則としてもう片方は易しくすることも大事です。幼児用の楽譜は絵本のイメージで、シニア世代用は目にやさしく拡大コピーをしなくてもそのまま使えるような音符の大きさも心がけています。譜めくりの位置やスラー、強弱記号、その他細かい目に見えないような配慮も、弾きやすさとして伝わっているようです。
手抜きをしないプロの技はさすがです!これらの曲を実際演奏する際のポイントをアドバイスいただけませんか?
では、ステップでも多く演奏していただいてるとのことで、「ホール・ニュー・ワールド」について一言ですが挙げておきましょう。
バックにビートを感じて弾くということですね。さて、先生にはポピュラーステップでのアドバイザーも快くお引き受けいただいて、今秋(11/11文京ポピュラー)で4回目となりますが、何かお感じになられていることはありますか?
どの方も、その曲に対するイメージや思い入れがはっきりしていて、大変聴き応えがあります。人に聴いてもらうのは上達のために大切なことですから、今後もこういう機会をたくさん持っていただきたいですね。
これからも皆さんが弾いてみたくなる素敵なアレンジをぜひお願いします。きょうはお忙しいところありがとうございました。
順位 | ステップレベル | 曲名(選択回数) | |
---|---|---|---|
☆ | 1位 | 応用1 | 「ホール・ニュー・ワールド」(208回) |
☆ | 2位 | 応用2 | 「美女と野獣」(151回) |
3位 | 基礎3 | 「いつも何度でも」(122回) | |
☆ | 4位 | 基礎1 | 「おもいでのアルバム」(119回) |
☆ | 5位 | 基礎5 | 「星に願いを」(116回) |
☆ | 6位 | 応用3 | 「木洩れ陽の路地」(106回) |
7位 | 基礎2 | 「となりのトトロ」より さんぽ(82回) | |
☆ | 8位 | 基礎4 | 「いつか王子様が」(80回) |
9位 | 導入3 | 「小さな世界」(74回) | |
10位 | 導入1 | 「ミッキーマウス・マーチ」(72回) |
こどもたちのよく知っている曲ばかり43曲が、ブルクミュラー程度にアレンジされています。ステップ課題曲「ホール・ニュー・ワールド」(応用1)「美女と野獣」(応用2)「木漏れ日の路地」(応用3)も収録。
ブルクミュラー程度のアレンジで、本格的なジャズ・スタンダード・ナンバーを楽しめ、CDと合わせればバンド演奏の気分も味わえます。ステップ課題曲「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン」(応用2)「サテン・ドール」(応用3)も収録。
コード・ネームを見て、反射的に指が反応できるようになるための練習課題曲集。PART1:トライアド、 PART2:セブンス・コード、PART3:コードパターンと発展していき、各練習課題は3段階で進められる。