ピティナ調査・研究

エッセイ「和ピアノへの道」1 雅楽に恋して

ピアノ曲 MADE IN JAPAN
写真 雅楽

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます!  お正月、私は近所の神社に初詣に行きました。普段は人気の少ない神社も、お正月ばかりは大賑わい!明るく華やかな雰囲気が漂います。ふと耳を傾けると、神社の裏からまったりとした典雅な音楽が...。そう、雅楽です。

  そういえばかれこれ10年前、私が日本の音楽に目覚めたのも、雅楽がきっかけでした。それまでは日本音楽など全く興味もなく、メトードローズ、ブルグミュラーツェルニーバッハ、古典派、ロマン派、近代...と、クラシック本道をひたむきに歩んでいたのですが...。

 ある日突然、学校で雅楽のビデオを見せられたのです。それも大画面・大音量で!それまであまり見聴きしたこともなかった不思議な音楽。「日本にこんなスゴイ音楽があったのか!」と、一瞬にして恋に落ちてしまいました。思春期まっただなかの18歳。「なんで私はこれまでずっと、遠い国の音楽ばかり学んできたんだろう...」と、一気に自己否定へと走ってしまったのです。それからでした。「ピアノ曲MADE IN JAPAN」への長い旅が始まったのは。

 この「エッセイ」コーナーでは、これから4回にわたり、雅楽から始まったその長い旅について語らせていただきたいと思っています。そんなコーナーにぴったりの作品、松平頼則作曲『盤渉調「越天楽」によるピアノのための主題と変奏』の演奏とともに!旅の初めの今回は、「主題」部分の音源をアップしました。既存の雅楽曲をそのままピアノ曲にした不思議な音楽です。この「主題」が、これからどう「変奏」されていくのか...乞うご期待です!

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