ピティナ調査・研究

田中亜希子先生(2023/7/21開催レポートより)

私のピティナ活用法~新入会員オリエンテーションレポートより
田中亜希子先生
国立音楽大学ピアノ教育専修卒業。ピティナ静岡支部長。
自身の経験を通して、生徒に伝える

入会のきっかけを教えてください。

中学生の時コンペを受けていたので、ピティナの存在は昔から知っていました。いざ自分が指導者になったとき、いつか生徒も出せるようになりたいと思い入会しました。

初めてコンペの要項が届いたときはインパクトが大きかったです。この年齢でこの曲を弾けるようになるのが目標か…と。翌年にはコンペの舞台に立たせたいなと思いながらレッスンに取り組んでいきましたね。

今はステップやコンペにも積極的に活用されているのですね。

ステップはチラシを見ただけではイメージがわかなかったので、まずは私自身が参加しました。そこで受け取った講評のあたたかさに驚き、これならコンペ以上に参加しやすく、喜んでもらえると思いました。実際、先生や保護者との連弾、時には合唱の伴奏と歌のアンサンブル、などと、様々な形態で参加できるので、本人はもちろん、保護者の方の満足度が高いです。

コンペには、入会1~2年後に数名参加しました。保護者の方とも一緒に要項を読んで、この曲が弾けるだけですごいことだから、1回出てみよう!と誘いました。会場に行って他の出場者の様子を間近で見ることで、ステージマナーやセッティング等、演奏以外の面でもたくさんの学びを得られました。何より同年代の生徒さんの演奏を聴くことが大きな成長につながりました。

地域の先生方と、地域に根ざした活動

支部・ステーションでの活動のきっかけや、活動内容について教えてください。

静岡支部の事務局からご連絡いただいて、ステップの運営のお手伝いを始めたのがきっかけでした。現在、静岡支部では5つのステーションがあり、それぞれがステップ当日や前後の企画を検討・運営しています。そのほかに、先生方が集まる勉強会を実施していて、もう10年近く続いています。おすすめの教材をシェアしたり、声がけの仕方について悩みを相談しあったり、先生同士で連弾曲を弾いてみたり、集まった先生がその時々に関心があることを自由に取り上げています。勉強会でアンサンブルの作品を弾いてみたことをきっかけに、2台ピアノのコンサートも開催しました。

地域との協働にも積極的ですよね。

街中でストリートピアノのイベントを開催し、地元の子どもたちや出身アーティストの方に演奏をしてもらいました。当時の市長さんにも連弾で参加してもらったんですよ。また、調律師さんへお願いしてピアノ解体ショーも行いました。1人の意見では形にするのが難しくても、支部として100人の先生方の声を届けることで実現できることがあるんだ、と実感できた経験でした。

集合写真
先生方から寄せられたご質問

生徒募集はどのようにされていますか?

口コミが多いです。最初のころは、ピアノを教え始めますと近所にご挨拶に回りました。発表会のプログラムを配ったこともあります。今は、ピティナの教室紹介からも入会に繋がっています。

ステップやコンペは、どのように段階を踏むのが良いでしょうか?

私の場合、まずはフリーステップから参加しています。フリーステップ3分が一番気軽に参加でき、楽譜を見ながらでも、保護者の方との連弾でも、とにかく自由度が高いのでハードルが低いと思います。23ステップは合否があり、合格の認定をもらうことで自信がつく生徒もいます。ステージに慣れてきたら、提携コンクールに挑戦しています。ブルグミュラーコンクールは課題曲が1曲で、講評もあたたかいので初めてでも参加しやすいです。これらを経て自信が付いたらコンペに挑戦しています。

始めたばかりの生徒さんへおすすめのコンクールはありますか?

ブルグミュラーコンクールは1曲で参加できます。バスティンコンクールは課題曲と自由曲の2曲ですが、比較的易しい曲で参加できます。バッハコンクールの課題曲はポリフォニーなので、こういった曲が得意な子でしたら良いと思います。

コンペにステップに発表会に、となると曲を仕上げていくのがなかなか大変だと思うのですが、選曲について工夫されていることはありますか?

ステップの際は、あまり負荷の高い曲は選ばないようにしています。どの方にも達成感を得てほしいので、2か月くらいで仕上がる曲にしています。難しい曲にしてしまうと、なかなか仕上がらない、普段の教本が進まない、といった弊害があるので、選曲には気を付けています。

保護者の方との連絡手段はどうされていますか?

私は個人LINEを使っています。連絡手段については支部の勉強会でも話題に挙がりましたが、公式LINEも登録が簡単なので、比較的取り入れやすいようです。

これからコンクールへの参加など、レッスンにもっと力を入れていきたいと思っています。お月謝の改定も検討しているのですが、どのようにお伝えしたら良いでしょうか?

今と同じ状況で月謝だけを上げると納得感が低くなってしまいます。レッスン時間を延ばす、教材を増やすなど、何か変えたうえで月謝を変えるとご理解いただきやすいです。

参加しての感想
  • 同じ悩みをもたれる先生方にお会いできて今後も頑張ろうと刺激になりました。
  • 「ピアノの先生の一年生」というべき、右も左もさっぱり分からない私に指導のノウハウを与えて下さりありがとうございました。お話を聴くごとに指導する際の勇気が湧いてきて、有意義な時間でした。
  • コンクールにいつから挑戦するか、何から始めたらいいかなど、具体的なお話が参考になりました。
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