冷水香織先生(2023/4/26開催レポートより)
入会のきっかけや入会後の関わりについて、教えてください。
卒業後から現在まで勤めている楽器店が熊本支部の事務局を担っていることから、担当の方に勧められて指導を始めて3~4年ほどで入会しました。入会前にも、楽器店で開催されるセミナーや勉強会に参加する機会が多くあり、組織の中で活動するありがたみは感じていました。
入会1年目、すぐにコンペに挑戦しました。不安よりも、参加することで生徒さんも自分も勉強の機会を得たいという気持ちが大きかったです。右も左もわからず参加したコンペ会場で他の参加者の方の演奏を聴いて、もっと深く研究をして指導しなければいけないと痛感しました。また課題曲セミナーに初めて参加した際は、周りの先生方がすべての級の課題曲を用意して講座に臨む姿を見て衝撃を受けたのを覚えています。次の年からは、私もすべての楽譜を揃えて、一通り目を通すようにしました。
生徒さんへの声掛けはどのようにされていますか?
今教えている生徒は、大半が何かしらのコンクールやステップに参加しています。たとえレベル的に厳しいとしても、興味があるなら取り組むことが勉強になると思うので、全員に平等にコンクールの情報を伝えています。数年前までは、参加するからには結果を出したいという気持ちが強かったですが、今はそれ以上にコンペを通して得られる学びや経験の方が大切だと思うようになりました。
コンクールに出会った当初は、希望者がスキルを磨くために活用するのは良いことだと思いつつ、教室の活動の軸にまでなるとは思っていませんでした。ですが、発表会でコンペを頑張っている生徒さんの演奏を聴いて、「自分もコンペに挑戦してみたい」と感じる人が出てきて、だんだんと参加する人が増えていきました。期日までにどれだけ音楽に向き合えるかを目的としながらも、やるからには本選進出、通過率3割の高い壁を超えることが分かりやすいモチベーションになっていました。
支部とはどのように関わっているのでしょうか?
勤務先の楽器店が支部だったこともあり、入会してまもなく役員になったので、すぐにコンペやステップのお手伝いに加わりました。そこで知り合った先輩の先生方に指導の悩みを相談して、仲良くさせていただいています。支部総会では年間の活動・収支報告などの畏まった内容もありますが、次年度の計画は皆さんの意見を集めて進めることで、多くの先生方に関わっていただいています。 総会後に食事会を行なったり、プレセミナーを開催することで支部会員同士の交流も図っています。
指導者ライセンス受検のきっかけを教えてください。
産休・育休から復帰してしばらく、稼働日数をセーブしていた時期がありました。ちょうどそのころ、駆け出し当初から見ていた生徒が中学生になり、大曲を扱うようになると「ベートーヴェンらしい音とは?モーツァルトらしい音は?」と考えることが増えて。そこで私自身の勉強が足りてないと感じるようになりました。楽器店で指導者ライセンスの筆記試験の存在を知り、学び直しのよいきっかけだと思い、受検を決めました。ライセンス受検をきっかけに、試験の事務局を担うステーションの先生方ともお知り合いになれたことも幸運でした。今でも年に2回ほど集まって、課題曲の勉強会をしています。
冷水先生が勤めている楽器店ではコンクールに参加するのが普通なのでしょうか?
それぞれの先生のスタンスでレッスンをしているので、特に決まりはありません。ただ、私も生徒さんもモチベーションを高く維持してレッスンができるので、私自身は積極的に活用しています。
コンクール前の指導で気を付けていることがあれば教えていただきたいです。
どうしてもコンクール前はピリピリしてしまうのですが、保護者の方と丁寧にコミュニケーションを取るようにしています。どうしても結果がついて回るので、コンクールを受けることがプラスになるように、よくお話をしています。
ブルグミュラーコンクールについて、教えてください。
.1曲で参加ができるので、コンペよりはハードルが低く参加することができます。ファイナルにもなると、それなりに練習していないといけないですが、初めての参加者も多いので、あたたかい雰囲気で開催されています。
コンクールデビューを応援するコンクールなので、初参加の方限定の地区もあります。ぜひ参考にしてみてください。(本部事務局)
コンクール参加を促す声掛けの秘訣があれば教えてください。
相手によって伝え方を変えています。ステージ経験ができることが経験になる、人前で弾く楽しさを感じてもらう、音楽の深いところまで勉強できるなど、目的は様々で、その子に合った目標設定を心がけています。
コンクールの申し込みは保護者の方にお願いしていますか?また、付き添いはされていますか?
コンクールの申し込みは保護者の方にお願いしていますが、わからないことも多いので、事前にホームページのリンクや指導者情報などはあらかじめ伝えています。毎回付き添うのは難しいので、日頃から足台のセッティングなどを保護者の方にお願いするようにしています。
付き添いができない場合は、生徒さんに録画や録画をお願いし、演奏を聴いたうえでフィードバックする先生もいらっしゃいます。(本部事務局)
コンクールに参加するにはアコースティックピアノが必須でしょうか?
楽器店の練習室を借りるなどして、実際に弾き比べてタッチの違いを感じてもらうようにしています。住宅事情もあり、なかなかアコースティックピアノを置いていただくのは難しいので、状況に合わせた指導を心がけています。
継続表彰はどのようにしていただけるのでしょうか?
ステップのステージで賞状と記念品を授与します。また、当日お返しする資料として学校長先生宛の表彰依頼文を同封しています。全校集会での表彰やクラス表彰、校長室での表彰など、学校によって対応は様々です。ステップがどういうものか、ピティナの資料などを学校にお話していただくと、学校側にもご理解いただけると思います。(本部事務局)
- 交流会やeラーニングを活用して、今後も勉強していきたいと思います。
- ライフスタイルが変化したときの仕事の仕方や、提携コンクールの雰囲気を知ることができて良かったです。
- ピアノ講師としての悩みを共有できてよかったです。ピティナの知らなかった情報を伺えて有益でした。ありがとうございました。