ピティナ調査・研究

岡田佐知先生(2023/2/10開催レポートより)

私のピティナ活用法~新入会員オリエンテーションレポートより
岡田佐知先生
お茶の水女子大学大学院音楽表現学コース修了。当協会正会員。
自分の力量を客観視することが、指導者としての自信に

入会のきっかけを教えてください。

恩師に薦められて、大学卒業後の社会人1年目で入会しました。当時の職場は保育の専門学校で専門学校でのピアノ指導だけをしており、個人レッスンは全くしておりませんでしたが、コンクールやピアノ教育に関する様々な情報を追いかけることができました。

その後、結婚を機に関西へ引っ越し、ピアノ指導を始めました。親戚も友人もいない環境でしたが、全国の先生方と繋がっているという安心感もあり、今はセミナーでご縁のあった先生方と一緒に活動しています。

岡田先生は指導者ライセンスも全級合格されていますね。

はい。生徒さんの保護者から、「ピアノの先生には何か資格はあるんですか?」と聞かれたことがきっかけです。何気ない質問だったのですが、ドキッとしました。自分の教室を始めようというタイミングで、今自分が持っている知識や技術だけでよいのかと疑問を持ち、指導者ライセンスの受検を決めました。

日々のレッスンをしながらの受検準備は本当に大変ですが、曲の解釈や演奏法など、いま自分が考えている方向性が適切なのか客観的に確認することができ、色々な角度から考えて指導できるようになりました。

指導者も生徒も、ステップに参加することで成長する

ステーションでの活動についてお聞かせください。

最初はステップの見学や運営から関わり始めました。当日の運営はもちろん、事前準備もやることが多くて驚きました。スタッフとして運営に関わることでステップ全体の流れが分かり、自分の生徒を参加させやすくなりましたね。それから、ステップを1日聴いているだけでも指導のヒントになります。また、運営の空き時間には他の先生と悩みを共有することができるので、その時間も楽しみのひとつです。ぜひ一度、お手伝いに来てみてください!

ステップの参加に向けて、どのような指導や声掛けをされていますか?

コンクールの緊張感とは違って、思いきって演奏できるところがステップの良さです。失敗しても大丈夫だから、どんなふうに聴いてもらえるか確かめてみよう!と声掛けをしています。子どもたちも、どんなアドバイス(講評)をもらえるかな?と楽しみにしています。

また、生徒さんによっては暗譜の確認のために参加してもらうこともあります。落選することがないので、安心して参加できます。初めは指導者も緊張するかもしれませんが、毎週見ていると逆に気づけないその子の良さを書いてもらえることもあり、必ずプラスになります。少人数でいいので、まずは声をかけてみてはいかがでしょうか。

集合写真
先生方から寄せられたご質問

ステップの見学に行ったら想像以上にレベルが高く、ハードルが上がってしまいました。参加される方は、みなさんコンペに出るようなレベルなのでしょうか?

場所と時期によって、カラーが全然違います!6~7月はコンペのリハーサルとして活用する方が多い印象です。また冬の受験シーズンも、試験を控える中高生の参加が目立つ地域もあります。ただ、アドバイザーの先生は、他の参加者と比較しながら評価しているわけでなく、参加される方の状況に応じてアドバイスを書いています。心配であれば、生徒さんが完璧に弾きこなせる曲で参加させてあげると良いかもしれません。
コンペのリハーサルとして参加する方をまとめた部を設ける地区もあり、1日の中でもレベルの違いはあります。地区詳細ページで前年度のプログラムを確認できますので、参考にしてみてください。(本部事務局)

初心者の生徒さんが参加しやすいコンクールはありますか?

まずはステップに挑戦して、袖で待つところから、普段とは全く違う雰囲気を経験してみると良いと思います。同じコンクールでも地区によってレベルが様々なので、現場に聴きに行ったり、お知り合いの先生にレベルや雰囲気を確認したりといった下準備も大切です。一番大切なのは、コンクールを受ける目的を保護者の方とすり合わせておくこと。コンクールで結果を出すこと、それを目標に頑張ることも素晴らしいことですが、本番に至るまでの練習の過程や、参加後のフォローも同じくらい大切で、事前に認識を確認しておく必要があります。1曲で参加できるコンクールもあるので、まずはゆとりを持って参加できそうなコンクールを受けてみると良いと思います。

指導者ライセンスの内容を教えてください。

大きく分けて、指導実技、演奏実技、筆記試験、エッセイという4種類の試験があります。それぞれ初級、中級、上級というレベル分けがされていますが、これは受検される先生のレベルではなく、指導対象となる生徒さんのレベルで分かれています。(本部事務局より)
「エッセイ」の試験は、セミナーを通して受け取った学びを、誰にでも伝わる言葉に言語化する訓練といったイメージです。学んだことを実際のレッスンで活かすためには?子どもに伝えるためには?という観点から、エッセイを通してアウトプットすることですぐに現場で活かすことができます。「指導実技」は、その場で初めて会うモデル生徒さんへのレッスンを行います。型を決めずにフレキシブルに対応できているかを見られていると思います。

生徒が初めてステップに参加します。私もついていく方が良いのでしょうか?また、周りのレベルが高かった場合、どのような声掛けをしてあげたら良いでしょうか?

先生によって考え方は様々ですが、初めて参加する生徒さんの場合、先生がいると安心感はあるかもしれません。実際に演奏を聴いておくと、アドバイスの意図もよくわかりフィードバックもしやすいと思います。都合がつかない場合は、動画や録音がOKの会場であれば、あとから送ってもらって聴くようにしています。
子ども本人は、純粋に「他の子が上手だった!すごかった!」と刺激を受けてくることが多いです。「次はステップで聴いたこの曲を弾いてみたい!」と言ってくれることもあります。大人も周りと比較することなく、その子がその日に1番よくできたことを褒めてあげるのが良いと思います。ステージのドキドキに耐えて弾ききることが大切で、楽しかったと思えたら合格!と小さなお子さんには伝えています。参加経験が増えてきたら、メッセージ用紙の内容を共有し、その後のレッスンの目標にしてもよいと思います。

導入のレッスンで気を付けていることはありますか?

小さいお子さんは集中力がもたないので、1回のレッスンの中で色々なことをしています。 それぞれのタスクをなぜやるか、目的を保護者の方に伝えることで、安心してレッスンに参加していただけます。ここまでできたらOK、というラインを示すことが大切です。足台ひとつとっても、「足の裏を感じて弾いてほしいから」「大きくなったときにペダルを踏むために」など、理由をしっかり伝えることで、保護者の方も理解してくださいます。

ステーション活動に加わるきっかけが見つかりません。

ピティナから毎週配信しているメールニュースに、近々ステーションで開催される勉強会の情報、セミナーの情報を一覧として掲載していく予定です。公開できたらまたお知らせしますので、ぜひ参考にしてみてください。(本部事務局より)

参加しての感想
  • 転勤族で、新しい土地に知り合いが全くいなかったのですが、先生方のネットワークのおかげで馴染むことができるようになるのではと思いました。
  • 岡田先生の具体的な体験談を交えての説明だったため、非常にわかりやすかったです。
  • ちょうど最近、ピアノを1から始める生徒さんが入ってきたので、ぜひステップに参加させてみたくなりました。
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