ピティナ調査・研究

秋葉芳美先生(2022/12/08開催レポートより)

私のピティナ活用法~新入会員オリエンテーションレポートより
秋葉芳美先生
国立音楽大学ピアノ科卒。当協会正会員。
コンペを通して生徒と共に成長する

入会のきっかけを教えてください。

音大を卒業してすぐ地元に戻り、指導を始めました。先輩の先生と合同発表会をしたときに「あの子、ピティナに出してみたらいいんじゃない?」と言われたことがきっかけです。指導1年目で右も左もわからないところから、その子と共にピティナに飛び込みましたね。

初めてのコンペ、収穫はありましたか?

教室で1番よく弾ける生徒さんでしたが、本選に進むと全く歯が立たず、指導力不足を痛感しました。また、会場で演奏を聴いて「こんなに弾ける子がいるんだ!」と衝撃を受け、そこから学びのスタートでした。

コンペに挑戦する生徒が増えるごとに、講評用紙も蓄積されていきました。既知の課題でもより分かりやすく伝わる語彙が見つかったり、自分では気づかなかった新たな観点の指摘をいただいたり。目から鱗が落ちるような講評に励まされながら、1段ずつ階段を上るように学びを深めていったように思います。

新しい曲との出会いが大きな糧に

コンペを受ける過程で、どんな学びがありますか?

コンペの課題曲説明会は、指導をお休みしていた時期でも欠かさず参加してきました。定番の作品でも、毎年新たな指導法・解釈が示され、それを生徒さんに還元するのが毎年のルーティンになっています。級が上がったり、本選や全国大会に進むことでまた新たに得られる気づきがありますし、なにより1曲を時間をかけて掘り下げる経験は貴重な学びになります。

また、近現代の課題曲は新たな曲を知るための絶好のツールです。課題曲が掲載されている曲集をめくっていくと、ほかにも沢山の魅力的な曲があることに気づきます。たとえ参加せずとも、コンペに関わるだけで曲の幅やバリエーションが広がるんですね。自分一人では網羅しきれない幅広い作品群から選定されていることに、いつも感謝しています。

ステップの活用法やステーションでの活動を教えてください。

ステップは、初めての舞台として挑戦する生徒もいれば、ツェルニーなどの普段の練習曲で出る生徒、受験前の度胸試しをする生徒など、それぞれの目的に合わせて気軽に参加しています。

ステーションの仲間とは、レッスンに関する悩みや音楽談義など、日頃からコミュニケーションをとりながら、どのような活動をしていくか話し合って決めています。

普段なかなかお目にかかる機会のない著名な先生に、ステップのアドバイスに来ていただいたり、時にはセミナーを開催したりと、ステーションでの活動を通して、1人では実現できないご縁が結ばれたように感じます。

集合写真
先生方から寄せられたご質問

ペアレッスンの要望をいただき取り入れていますが、個人レッスンの時とあまり差をつけられません。なにかアドバイスいただけますか?

仲間と共に学び合えるペアレッスンができること、羨ましく思います。私はペアレッスンの経験はないのですが、連弾の時は褒めることも、改善点の指摘も、2人同じくらいのバランスになるよう心がけています。どちらかが委縮してしまわないように、両者のびのびと、お互いから刺激を受けながらレッスンを進められるのが理想ですね。

ピアノ経験のある生徒さんへの体験レッスンの進め方を悩んでいます。

何らかの理由で新しい教室を探している経験者の生徒さんには、「今弾いている曲、弾きたい曲を1曲聴かせて!」と声を掛けます。演奏を聴いて、まずはいいところを見つけて褒めてあげます。それに加えて改善点など気づいたことをお話しています。

コンペに参加するとき、本選の曲をどのように準備したらよいか、スケジュール感など教えていただけますか?

課題曲が発表されたタイミングで、それぞれの生徒のペースを見ながら与える候補曲数を調整しつつ、一通りさらってもらいます。本番で演奏する曲は4月以降に選曲し、4曲同時に取り掛かることが多いですね。早い段階で譜読みを終え、一応弾けている状態にしておくと、予選が終わったあとの準備がスムーズです。たとえ予選通過できなくても、4期を学ぶ経験が大切だと思います。

初めてブルグミュラーコンクールに参加しました。次はコンペとも思いますが、場違いではないかと心配です。次の段階としてどんなコンクールに取り組むべきかアドバイスお願いします。

挑戦するからこそ学ぶし練習するわけですから、躊躇するのはもったいないです。まずはやってみよう!の心構えで良いと思います。コンペ前のシーズンは、ステップでリハーサルする方も多くいるので、他の参加者の演奏を聴き、会場の雰囲気を知る機会になります。

課題曲の準備で普段のテキストが止まってしまわないか気がかりです。

1冊でもいいから、テキストを持ってくるように言っています。もちろん、結果を出したい気持ちは指導者も生徒さんも同じです。それでも、課題曲だけに注力するのではなく、他の教本も1~2冊取り入れるバランスでレッスンしています。

ステップの課題曲の選曲に悩んでいます。今のレベルに合わせるべきか、少し背伸びした作品に挑戦するのがよいか、秋葉先生のお考えを聞きたいです。

ステップでは、いま現在のレベルで選曲することが多いです。準備期間が長ければ飽きが来ないように少し上のレベルの曲や、生徒さんが弾きたいと思う曲に取り組むこともあります。

参加しての感想
  • 他の先生方との情報も共有することができ、いろいろな視点から仕事に活かすことができそうです。
  • ピアノの先生は個人の活動が中心で、他の先生と関わる機会が少ないので、こういった機会でいろいろな先生のお話が聞けたのは大変貴重な時間でした。
  • コンペティションやステップ等について、詳しく教えていただきました。少しずつでも取り入れて、教室の質の向上に役立てていきたいです。
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