ピティナ調査・研究

松本教子先生(2022/7/20開催レポートより)

私のピティナ活用法~新入会員オリエンテーションレポートより
松本教子先生
奈良教育大学教育学部音楽文化コース卒業。おおさか鶴見ハナミズキステーション代表。
子どもたちが高め合える場の設定

入会のきっかけを教えてください。

ピアノ指導者である母の影響や勧めもあり、学生のころから少しずつ指導を始めていました。地域に根差した活動がしたいと思い、はじめは一枚一枚チラシを配っていましたね。

生徒が増えてくると、きらりと光るものがある子に出会う機会にも恵まれました。そんな子たちを自分の手でゼロから最後まで育てたいと思ったときに、自分自身の勉強も積極的に続けていかなければという思いが高まり、ピティナに入会しました。
現在はピアノ指導のほか、地域のコーラス伴奏なども行なっています。

ピティナのステージをどのように活用されていますか?

生徒が経験する本番は、秋の発表会、クリスマス会、そしてステップの三本柱で考えています。発表会は、音楽性を広げるために難易度の高い曲に挑戦する機会として。クリスマス会はとにかく好きな曲を楽しく弾く場として。ステップは教則本の曲で基礎力を固める機会として活用しています。

ステップの課題曲を必ず教則本から選ぶので、教則本が進んでいないとステップのレベルも上がらない、という仕組みになっています。子ども同士で良い刺激を与えあうようになり、発表会だけでなく、年間を通して教則本もきちんと進めていくという意識が身についています。また、興味や余力がある生徒さんはコンペなどにも挑戦しています。

一人っ子を育てるように、生徒と深く、深く関わる

先生自身の学びの面での活用法も教えてください。

学びの面で一番大きかったのは、娘を生み育てたことです。たった一人の我が子と向き合うことで、生徒さんに対しても「一人っ子のように深く関わりをもつ」スタンスが確立されたと思います。また娘がアドバイスレッスンやコンクールにチャレンジする中で、私自身もたくさんの経験をさせてもらいました。

コンペの時期はより指導に熱が入りますが、低学年のころから挑戦し続けて、大学受験直前になって予選通過をした生徒さんがいたり、短い期間の2回の本選でグッと平均点を上げた生徒さんであったり、色々なドラマが生まれます。コンペでは毎年たくさんのことを経験させていただいています。

また、ステーションを通じた学びの機会を得られたことも感謝しています。恩師が運営するステーションの勉強会に参加したり、他のステーションの代表の先生と共同で学習会をしたり、自分のステーションでお話会をしたりと、合計3つのコミュニティに関わっています。先生方との繋がりが増えることで、少しずつ活動の場、勉強の場が広がっています。

集合写真
先生方から寄せられたご質問

生徒さんに長く続けてもらうコツはありますか?

とにかく保護者の方との連携をしっかりとること。今この瞬間だけでなく、過去・未来を見据えて説明することで、私自身の思いが伝わり、保護者の方の理解も深まります。

長年指導していると教材なども含めてマンネリ化してしまいます。生徒さんに刺激を与える方法はありますか?

マンネリのときがあってもいい、と保護者の方に伝えています。発表会の直後など、ずっと気を張り詰めているのは大人でも難しいですよね。次の目標をきちんと設定し、メリハリをつけた指導を心がけています。その意味でも、定期的な発表の機会は重要だと思います。

全く新しい地域でゼロからピアノ教室をスタートするとき、まずどんな行動を起こしたら良いでしょうか?

学生のころ、チラシを配りに行ったのをよく覚えています。当時はホームページなどもなかったので、近くにポスティングしたり、通りすがりの方にお渡ししたりして、そこから少しずつ広がっていきました。
人との繋がりという面では、お住まいのエリアにたくさんのステーションがあるので、お気軽にお問い合わせください。(本部事務局より)

体験レッスンについて、どのように対応されているかお話を聞きたいです。

ホームページを約4年前に作成し、そのときから体験レッスン費をいただくようにしました。無料だと色々なお教室で体験だけして入会しないというケースもあると聞いたからです。見学もOKにしているので、一度レッスンを見学してから体験レッスンを受ける方もいます。

オンラインレッスンへの対応はどのようにされていますか?

リアルタイムでのオンラインレッスンは基本的にしていません。2020年の緊急事態宣言の時期、まったく外出ができなかったときに、今こそ読譜力をつける絶好のチャンスだと思い、毎日の練習の成果を動画で送ってもらいました。この方法は今も続いていて、事情により教室に来られない生徒さんには、1週間に送ってもらう回数を決めて、動画のやりとりをしています。決められた時間内でやろうと思うと追われてしまうので、空き時間、落ち着いた時間に動画を見て、コメントを返しています。

最近のお子さんは習い事をたくさんされていて、練習時間を確保できないご家庭も多いです。練習ができない生徒さんへの工夫や声掛けの秘訣があったら教えてください。

意欲があっても練習がなかなか捗らない子には、レッスン風景を撮影して保護者の方に見てもらうこともあります。そうすると、「うちの子、本番に間に合いますか?」と保護者の方の意識が変わり、お子さんを気にかけてくれるようになります。

クリスマス会はどのようなことをされていますか?

自宅の教室で、コロナ前の多いときは25人ほどで開催していました。基本は1人1曲発表することにしていますが、弾きたくない子は聴くだけでいい、というルールにしています。
リズムフラッシュやミュージックベルなどの全員でできることや、私が読み聞かせをしたりしたこともあります。コロナ禍では生徒さんのみの参加となってしまったので、お子さんが弾くときだけ保護者の方にビデオ通話で中継してあげたりもしました。

教則本が遅れてしまうことが気になり、コンクールなどはなかなか手が出せません。コンペティションや提携コンクールの見学は可能ですか?

会場のキャパシティや運営方針により、来場制限の有無は異なります。ウェブサイトに書く地区の情報を掲載していますので、チェックしてみてください。(本部事務局より)

ステップはどの地区でも参加できるのでしょうか?要項はいただけるのでしょうか?

地域・時期ともに自由にお選びいただけます。運営をお手伝いしていないと出られない、といったことも一切ありません。要項については必要分をお送りしますので、本部事務局までお問い合わせください。(本部事務局より)

関わるステーションはいくつか選べるのでしょうか?

ステーションは先生方の有志の集まり、というイメージで、関わる先は複数あってもまったく問題ありません。近くの先生方とコミュニケーションを取る機会、恩師の先生との繋がり、お世話になっている楽器店の繋がりなど、選び方は様々ですので、ぜひ色々なところに顔を出してみてください。(本部事務局より)

参加しての感想
  • 実際に様々な生徒さんを教えていらっしゃる先生のお話がお聞きでき、コロナ禍でのレッスンの工夫なども大変参考になりました。
  • 新入会のオリエンテーションということで新卒の若い先生方が多いと思っていましたが、経験豊富なベテランの先生や同年代の先生方もいらして、安心して参加できました。今後は生徒さんたちに貴重な経験のためにステップに参加してもらったり、自分自身の勉強もさせていただきたいと思います。
  • 力の入れ方が異なる3つのイベントを年間に取り入れていらっしゃることや、保護者とのコミュニケーションをとる際の時系列の「線」を意識されるなど、大変参考になりました。
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