ピティナ調査・研究

武本弘美先生(2022/3/30開催レポートより)

私のピティナ活用法~新入会員オリエンテーションレポートより
武本弘美先生
武蔵野音楽大学卒業。中津諭吉ステーション、中津An die Musik代表。
ステップもコンペも体験するほど自信をもって勧められる

まず、入会のきっかけについて教えてください。

今は社会人となった娘が小5の時に初めてコンペを受けたのが入会のきっかけでした。私が会員になると参加料が割引されることと、ピティナに入ると様々な情報が得られて勉強になるのでは、と思ったからでした。
その後、娘はステップにも参加するようになりますが、初めて頂いた応援のメッセージに感激し、一気に魅了されて何度も参加しました。当時は、ステップの会場も今ほど多くはなかったので遠出もしましたが、それも今となっては娘との良い思い出になっています。

ご自身の生徒さんもステップやコンペにたくさん参加されていますよね。勧め方や指導について、教えていただけますか?

現在の生徒数は約15〜20人ほどで決して多くはないのですが、ほぼ全員がステップに参加してくれています。娘が参加したことで集まったたくさんのメッセージ用紙をお母様方にお見せしたら、皆さん前向きな反応を示してくれました。
娘の参加を通じてステップの良さを身を持って知ったので、自信を持っておすすめできたのもよかったと思います。私がお知らせしたステップを見学しに行って、同年代のお友達の演奏に刺激を受けたと言ってくれた入会間もない生徒さん(翌年ステップ初参加)や、会場のあたたかい雰囲気に背中を押された生徒さんもいます。

コンペもステップ同様、今ではほとんどの生徒さんが参加してくれるようになりました。
初めは数人を参加させることで精一杯でしたが、6年前から徐々に増えてきたんです。きっかけは、たまたま友達同士や兄妹で連弾に参加した生徒さんが5組ほどいたこと。その子たちが翌年にはソロに参加したいと言ってくれて輪が広がっていきました。また、自分自身がセミナー等で勉強させていただいたことで、様々なタイプの生徒さんに以前より対応できるようになったため、コンペへの参加の声かけもしやすくなりました。

生徒のピアノ仲間づくりのサポートも指導者の役目

お教室の生徒さん同士の繋がりも大切にされていますよね。先生が心がけていることを教えていただけますか?

私たちピアノ指導者も、横の繋がりを持つことが重要であるように、子どもたちにとっても「あんな風になりたい」「あの曲を弾けるようになりたい」という憧れの存在や、一緒に勉強する仲間がとても大切です。ステップやコンペ前だけでなく、日々のレッスンで前後のお友達とミニミニ弾きあい会をしたり、イベントを企画したり、生徒さん同士の繋がりの場を作るように心がけています。
ある子が教室を卒業する時に「クリスマス会が大好きでした。先生、私はピアノと友達になれました」というお手紙をもらったことがあります。その子は決してピアノが最優先のタイプではなかったので、私はこの言葉に救われるような思いでした。年齢も関係なく、同じお教室のピアノ仲間を作ることで、日々の練習や本番へのモチベーションになったのではないでしょうか。
弾きあい会やステップは、教室の仲間同士で声を掛け合ったり、他の保護者の方から褒められる機会でもあります。子どもたちはやはり褒められると嬉しいので、つながり=モチベーションの側面は大きいと感じています。子どもたちの仲間づくりをサポートすることも、指導者の役目の一つであると思います。

オンラインセミナーを活用し繰り返し学ぶ

先生はセミナーにもたくさん足を運ばれていて、eラーニングもご活用いただいていますね。

セミナーでは、似たようなテーマでも繰り返し学ぶことで、新たな気づきがあり、学び続けることの大切さを感じます。私自身、何度も同じテーマのセミナーを受講していました。
会場に出向いてのセミナーは、先生方の生の音で聞くことができますが、時間やコストが気になります。オンラインセミナーは、自宅で楽譜を机一杯に広げながら、絶対に手元・足元が見える特等席で受講できるのが魅力ですね。また、繰り返し学ぶ、ということがしやすいので、ぜひ活用してほしいと思います。広く、深く学び続けて指導の引き出しが増えると、レッスンも楽しくなりますよ!

集合写真
先生方から寄せられたご質問

コンペに向かうにあたり、言葉がけで気を付けていることはありますか?

まずお誘いするときに、コンペは進出率3割だし、結果は水物と必ず伝えます。3か月ひたむきに頑張る経験が他のことにもつながること、そして一番大事なのはコンクールを受けたあと!「結果を貴重な経験にできるか、トラウマになるかは指導者と保護者のフォロー次第です」と話しています。

本選まで同じ課題曲を弾くコンクールで、生徒が飽きてしまい、途中でモチベーションが低下してしまいます。どう指導したらいいですか?

確かに同じ曲を深め直すには作戦がいります。弾くだけでなく、作曲家について調べるとか、弾きあい会をするとか、別の角度から曲を見る仕掛けを先生が工夫する必要がありますね。外部の先生をお招きしてレッスンを受けるのも刺激になりますよ。自分が気づかない視点という意味ではステップもおすすめです!

ステップの選曲に悩みます。背伸びしたほうがいいのか、余裕を持った方がいいのか・・・

目的にもよりますが、初めてであればジャストか余裕をもって弾けるところからスタートするのがよいかと思います。ステップは前のレベルに戻っても平気なので、その時期の生徒さんの状況によって難易度を選択するのもよいですね。フリーだと曲数も自由なので、1曲だけでチャレンジしてもいいですね。また、連弾だと一人で出るより参加料負担も少ないので、初参加の時は連弾もおすすめです。

生徒をステップに出すとき、付き添うべきでしょうか?ペダルの設置を保護者にお任せしていいか、迷っています。

いつかは誰も付き添えないタイミングが来るので、保護者にできるようになってもらうのがベターですね。この会の開催にあたり保護者から声を集めたところ、「ステージマナーが身に着いてよかった」という意見もありました。ぜひ経験してもらいましょう!

参加しての感想
  • 保護者同士や、子ども同士でピアノを一緒に楽しみ、深めるということの視点は忘れていたので、その言葉が印象に残りました。
  • ご自身も勉強を継続されていることに感動しました。
  • レッスン以前のことで悩むこともたくさんあるので、先生方とフラットに話すことができる情報交換の場がもっと増えてほしいと思いました。
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