ピティナ調査・研究

楽曲解説:リスト「トロヴァトーレ」のミゼレレによる演奏会用パラフレーズ,S.433

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楽曲解説:リスト/「トロヴァトーレ」のミゼレレによる演奏会用パラフレーズ,S.433

掲載日:2013年2月1日
執筆者:林川崇

「ミゼレーレ」は、ヴェルディのオペラ「トロヴァトーレ」第4幕、囚われの身となった吟遊詩人マンリーコを救うため、彼のいる塔の前まで来た恋人レオノーラが、弔いの鐘と憐みの合唱を聴き不安に駆られるが、塔の中からマンリーコの嘆きが聴こえ、二人の歌と合唱が交錯するという場面で歌われる曲。

リストの編曲は、1860年に同じくヴェルディのオペラによる、リゴレット・パラフレーズ、エルナーニ・パラフレーズと同時に出版された。原曲では遠くで響く冒頭の鐘を敢えて強打して合唱との距離感を出している他、曲の後半ではヴェルディのモチーフを使って原曲にない転調を繰り返し、より高揚感の強いものとしている。

リスト/「トロヴァトーレ」のミゼレレによる演奏会用パラフレーズ, S.433

『PTNAピアノ曲事典』への音源提供に大きく貢献されている赤松林太郎先生による演奏

オペラの原曲はこちら
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