ピティナ調査・研究

クイズの答え

音楽へのとびら~ピティナ・ピアノ曲事典 Facebook アーカイヴス
ヅィメルマン(ジメルマン)編曲:モーツァルトの"レクイエム"より、フーガ

掲載日:2012年4月19日
執筆者:上田泰史

ちょっと早いですが、もう答えも出てしまっているので発表します。先日掲載した楽譜の表紙は《子どもの領分》の表紙でした。
ヒントに挙げた「アシル」はドビュッシーが父マニュエル・アシルから受け継いだ名前の一部です。ドビュッシーのフルネームはアシル=クロード・ドビュッシーです。もう一つのヒント「シュシュ」
はドビュッシーの娘クロード=エンマ・ドビュッシーの愛称です。
シュシュは悲しくスキャンダラスな物語の中で誕生しています。1899年、ドビュッシーはリリー・テクシエという女性と結婚しま すが、4年後には裕福な音楽愛好家エンマ・バルダックという既婚女性との交際が始まりそれがもとで1905年、リリーと離婚しました。この一見でリリーは自殺を図り、何人かの親しいも彼のもとを去りました。
1905年にエンマとの間に生まれたシュシュをドビュッシーは溺愛し、1908年、《子供の領分》というタイトルの下まとめた6曲をシュシュに捧げました。捧げたと言っても、当時彼女は3歳かそこらですから、彼女が弾くことを想定したわけではありません。ところで、フランス語で「シュシュ」はChouという単語を二回重ねたものです。Chouは「シュークリーム」の「シュー」でキャベツという意味ですが、子どもに親しみを込めて「~ちゃん」と呼びかけるときに「モン・プティ・シュー」Mon petit chouなどと言います。もちろん、「私の可愛いキャベツちゃん」という意味ではありません。この「シュー」を「わんわん」「にゃんにゃん」のように二回重ねて子どもへのシンパシーを表したのが「シュシュ」という呼び名というわけです。

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