ヅィメルマン(ジメルマン)編曲:モーツァルトの"レクイエム"より、フーガ

掲載日:2012年4月23日
執筆者:上田泰史
ピアノに限らず、書道、絵画、文学、マンガ、スポーツ、料理、奨学金など、あらゆる分野には「コンクール」がありまピアノに限らず、書道、絵画、文学、マンガ、スポーツ、料理、奨学金など、あらゆる分野には「コンクール」があります。今年の夏にはいよいよロンドン五輪が控えていますが、これは世界最大規模のスポーツ・コンクールです。ところで、どうしてコンクールが私たちの文化活動においてこれほど重視されているのでしょうか。コンクールの大切な役割の一つは、ある分野に長けた人たちを競い合わせ勝ち抜いた人を表彰することで、人々の創造活動のモチベーションを刺激し、共同体の文化的・学術的水準を引き上げることにあります。コンクールの覇者はその分野の代表者とみなされるわけですから、生涯かけてその名誉と共に社会全体の利益となるよう献身的な活動を展開していく責務があります。
さて、「ピティナといえばコンクール」というイメージは日本でピアノを学習されてきた方にはすっかり定着していることでしょう。確かに、コンクールの開催はPTNAの活動において最も重要な柱の一つです。今日世の中を見渡せば、ピティナ以外にもローカルなものから国際的なものまで、たくさんのコンクールがあります。
コンクールという制度は、18世紀の終わりにフランス革命と共に誕生しました。「王の権利は神に由来する」という王権神授説に基づく圧政で虐げられた人々の反感は「崇高な革命の理念」に昇華され、市民は1793年に国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットを広場に引きずり出してギロチンにかけてしまいます。その二年後、革命を機に組織されたフランス国民軍の軍楽隊養成学校と王立の歌手養成学校とが統合され、現在のパリ音楽院が設立されました。公的な音楽コンクールは、この学校の修了試験として行われたのが始まりです。国家の威信をかけて行われるコンクールの設立によって、作曲理論や各楽器の専門教育が組織的に行われるようになったおかげで、この国の音楽文化は飛躍的な発展を遂げることになります。
「今日の一曲」は19世紀のパリ音楽院で演奏されたコンクール課題曲からです。1840年、院長のケルビーニは始めて、現代のコンクールのように課題曲の作曲家とジャンルを明確に指定しました。1840年のコンクールは初見演奏・協奏曲・フーガが3つからなっていましたが、本日の一曲はこの内フーガの課題曲で、モーツァルトの有名な《レクイエム》のキリエをピアノ科教授のヅィメルマンが編曲したものです。この曲、弾いてみたい!と言う方、挙手…の代わりに「いいね!」またはコメント宜しくお願いします。多い場合にはピティナのオン・デマンド楽譜出版・提供サービス「ミュッセmusse」から出せないか提案と思います。
す。今年の夏にはいよいよロンドン五輪が控えていますが、これは世界最大規模のスポーツ・コンクールです。ところで、どうしてコンクールが私たちの文化活動においてこれほど重視されているのでしょうか。コンクールの大切な役割の一つは、ある分野に長けた人たちを競い合わせ勝ち抜いた人を表彰することで、人々の創造活動のモチベーションを刺激し、共同体の文化的・学術的水準を引き上げることにあります。コンクールの覇者はその分野の代表者とみなされるわけですから、生涯かけてその名誉と共に社会全体の利益となるよう献身的な活動を展開していく責務があります。
さて、「ピティナといえばコンクール」というイメージは日本でピアノを学習されてきた方にはすっかり定着していることでしょう。確かに、コンクールの開催はPTNAの活動において最も重要な柱の一つです。今日世の中を見渡せば、ピティナ以外にもローカルなものから国際的なものまで、たくさんのコンクールがあります。
コンクールという制度は、18世紀の終わりにフランス革命と共に誕生しました。「王の権利は神に由来する」という王権神授説に基づく圧政で虐げられた人々の反感は「崇高な革命の理念」に昇華され、市民は1793年に国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットを広場に引きずり出してギロチンにかけてしまいます。その二年後、革命を機に組織されたフランス国民軍の軍楽隊養成学校と王立の歌手養成学校とが統合され、現在のパリ音楽院が設立されました。公的な音楽コンクールは、この学校の修了試験として行われたのが始まりです。国家の威信をかけて行われるコンクールの設立によって、作曲理論や各楽器の専門教育が組織的に行われるようになったおかげで、この国の音楽文化は飛躍的な発展を遂げることになります。
「今日の一曲」は19世紀のパリ音楽院で演奏されたコンクール課題曲からです。1840年、院長のケルビーニは始めて、現代のコンクールのように課題曲の作曲家とジャンルを明確に指定しました。1840年のコンクールは初見演奏・協奏曲・フーガが3つからなっていましたが、本日の一曲はこの内フーガの課題曲で、モーツァルトの有名な《レクイエム》のキリエをピアノ科教授のヅィメルマンが編曲したものです。この曲、弾いてみたい!と言う方、挙手…の代わりに「いいね!」またはコメント宜しくお願いします。多い場合にはピティナのオン・デマンド楽譜出版・提供サービス「ミュッセmusse」から出せないか提案と思います。