ピティナ調査・研究

ヘラー《子どもの情景》作品124より、第一曲(1868)

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ヘラー《子どもの情景》作品124より、第一曲(1868)

掲載日:2012年4月13日
執筆者:上田泰史

ヘラーとシューマン

ヘラーは1830年代にシューマンが編集していた雑誌『音楽新報』で紹介され、以後ダヴィッド同盟(空想上の芸術サークル)の一員としてシューマンから温かい賛辞を受け続けました。シューマンはヘラーの《ピアノ・ソナタ》作品9について、「天才的な血が流れている」と評しています。ヘラーは生涯に亘(わた)りこの先輩に敬意を払いました。有名なシューマンの《子どもの情景》(1839)が出版された時、彼はパリで音楽家仲間とこの曲について議論し、シューマンに心のこもった称賛の手紙を連名で書き送っています。1868年、シューマンはもうこの世の人ではありませんでしたが、ヘラーは《子どもの情景》というタイトルの作品を出版してシューマンの面影を偲んでいます。

執筆者:上田 泰史 

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