ピティナ調査・研究

第91回 轟 千尋『きかんしゃシュッポッポー!』

今月、この曲
轟 千尋『きかんしゃシュッポッポー!』

ミュージックトレード社『Musician』2018年4月号 掲載コラム

楽譜画像

今月ご紹介させていただく一曲は、丸子あかね先生編著、轟千尋先生作曲の「きかんしゃシュッポッポー!」という曲です。この曲は2つの黒鍵しか使わないため、体験レッスンに来た子や忙しくて練習できない子、そしてなんと赤ちゃんまで! どんな子でも、その場ですぐに"楽しく簡単に"弾くことができてしまう一曲です。

春になると私の教室にも"体験レッスン"のお問い合わせをいただきます。そこで教室の特徴などと一緒に、ピアノが弾けるって楽しいんだよ! ということをお伝えしています。

初めて来てくれた子に「ピアノ弾いてみよう!」と、「きかんしゃシュッポッポー!」を私と連弾してもらいます。「今日はお天気がいいから先生と汽車に乗ってお出掛けしよう! どんな音が聞こえるかな? ポッポー? ピー? シュッシュ?」。一緒に体験レッスンに来られたご両親は、「これからピアノを習うのでまだ弾けません!」と仰いますが、どんな子でも楽しく弾くことができ、お母さんはびっくり! 子供はにっこり! です。

そして私の教室では0歳~2歳までのリトミッククラスでも「きかんしゃシュッポッポー!」を取り入れています。なかなか赤ちゃんのクラスで生のピアノに触れる機会はないと思うのですが、みんな目の前にある大きな黒いグランドピアノに興味津々のようで、0歳の子はママのお膝の上で一緒に弾いたり、2歳くらいになると一人で弾かせてあげるとみんなにっこり大満足です。

私の場合、予め演奏してもらう前に剥がせるシールを2つの黒鍵に貼っておきます。また、とても素敵なイラストも付いていますので、イラストを見ながら曲のイメージを膨らませるのも楽しみの一つです。先生が弾く右手がまさにシュッポッポー! というリズムとぴったりリンクしているので、先生が歌いながら弾いても楽しいです。

さよならと教室を出たあとに「ポッポー」と汽笛の真似をしている声が外から聞こえてきて、思わず笑みがこぼれてしまう一曲です。