ピティナ調査・研究

第48回 夏の終わりに想いをこめて

今月、この曲
夏の終わりに想いをこめて

ミュージックトレード社『Musician』2014年9月号 掲載コラム

楽譜画像

まだまだ厳しい暑さが続く中、ふと見上げた空に秋の気配を感じた! そんな経験はありませんか? 今月紹介する「秋風」は、夏の終わりの情感を、ピアノのレッスンを始めて間もない方にも無理なく奏でることができ、オシャレな雰囲気を楽しむことができる曲です。

私の周りには、大人になって初めてピアノを始め、継続している方達がたくさんいます。大人の方が、ジュニアのメソッドを使うのではなく、大人の特性を活かしてピアノを学習し楽しむスタイルは、とても素敵です。

人生の中で音楽、ピアノとの出会いは、遅過ぎると言う事はなく、出会った時が"旬"と私は考えています。地域で仲間達とワークショップ「大人のピアノ入門~奏でる喜び」を始め、受講生の「このような機会を待っていました!長年の夢がかないました!」との声に力を頂きます。憧れの曲や難曲にチャレンジし練習に励むことはとても良いことです! それと同じように小品にも想いを込めて音を磨く練習も大切と考えています。

この「秋風」も1ページ、音数も少ない曲、さっと弾いて流してしまえばそれまでですが、自分の右脳と左脳をフル活動させ、楽譜の和声から背景を想像し、自分の音楽性をフル動員して響きを! 音色を! 表現を! 追究して奏でることで、聴く人に自分の想いを音で伝える練習曲に活用してみてはいかがでしょうか。

2013年10月、音楽を豊かに学習して成長して欲しい!との願いで、この「秋風」他8曲にヴァイオリンのオブリガードを編曲(平田もも子編曲)して、デュオで楽しむアンサンブルを企画し、とてもオシャレなアンサンブルに仕上がりました。ご興味がある方は、ピティナのミュッセ楽譜から発売されていますので、楽しんでみてください。

進化し続ける「大人のピアノ」。可能性を広げ、これからも応援して行きたいです。

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