ショパン国際コンクール・会場編―研究熱心な日本人参加者の皆さん
今回惜しくも第三次予選進出にはならなかったが、日本人参加者17名も健闘した。何名かは引き続きワルシャワに滞在し、他の参加者の演奏を熱心に聴いている姿が印象に残る。きっと多くのものを目と耳で感じ取っていることだろう。会場で見かけた3名のコメントをご紹介!
第二次予選進出した片田愛理さん。本番の合間には街を歩いたり、實川風さんや宮崎翔太さん達と一緒に他の参加者の演奏を聞いたり、ショパンの自筆譜が展示されている図書館に行ったり、ワルシャワの生活も満喫したよう。
「今回ショパンコンクールはファイナルまで聴く予定です。三次予選も聴きましたが、皆さんとても個性豊かで、これはショパンかな?という演奏もあるのですが、素晴らしく弾かれていたと思います。今後私自身も、どのようにアピールするかなど勉強していきたいと思います。ワルシャワの街は思ったより明るく感じますが、やはり昔色々あったんだなということを実感します。そういうこともショパンの音楽に生かすことができたら、と思っています。」
第一次予選で印象深いノクターン等を演奏した佐野隆哉さん。ファイナルまでしっかり見届ける真摯で研究熱心な姿勢は、今後必ず演奏・指導両面で生きてくるだろう。(上写真:前列左から2人目)
「ショパンコンクールは2回目ですが、実際に自分が弾いたり、他の参加者の演奏を聴いたりして、世界の演奏傾向や音楽の状況が変わっていくことを実感しました。これからも外の状況を注意深くアンテナを張って見守りたいと思います。今年パリ留学を終え、日本に完全帰国しました。これから演奏活動のみならず、教育活動にも携わることができたらと思っています。今年パリ、来年は日本で演奏会を予定しています。」
明るく情熱的な演奏が印象に残る渡辺友理さん。コンクール後はイタリアへ戻り、イモラ音楽院へ通う日々が待っている。
「昨日は思いがけずプリマ・ヴィスタ・カルテットとの共演のお話を頂いて嬉しかったです(※)。コンクールが終わって解放された気持ちで楽しく臨めました。会場はスタインウェイが置いてある150人程の綺麗なホールでした。第二バイオリンの方が愉快な方で、とても楽しく共演することができ、お客さんにも喜んで頂けたと思います。今日は1時間のソロリサイタルの依頼があり、Lochowという街で弾いてきます。ショパンの時代(1830年)に建てられた建造物の中のホールで弾けるそうです。」
- 10月15日参加者のための特別コンサートが開かれ、渡辺友理さんと永野光太郎さんが演奏、またゲストとしてナショナル・エディション普及で知られるピアニストの河合優子さんも出演した。