ピティナ調査・研究

弓削田優子 第1回「才能と努力と」

弓削田優子 第一回 「才能と努力と」
Yuko YUGETA
弓削田優子
弓削田優子

 世の中の人が抱く「理想のピアノの先生像」は、どのようなものだろうか?やわらかくて優しい雰囲気をまとい、きらりと華があり、清楚で袖の先に至るまで品がある。弓削田優子は、そんな「理想のピアノの先生像」を体現しているような人である。しかも弓削田と話すと、それらは彼女の魅力のごく一部でしかないことがすぐにわかる。紡ぎだされる言葉は、丁寧でわかりやすいのと同時に、一切の迷いがない。確固たる信念が感じられ、「この人に信じてついていけば大丈夫」と思わせる、絶対的な安心感がある。内面的にも外面的にも、指導者として必要な素質をいくつも兼ね備えており、弟子であり、現在弓削田の教室でも指導している北川ひとみ曰く「天性の指導者としての才能を持っていると思います。いつまでも近づくことができない存在」という。

 弓削田は、東京藝術大学付属高校、東京藝術大学、そして東京藝術大学大学院まで進み、大学時代にはピティナ特級で金賞を受賞し、音楽のエリートコースを歩んできた。(弓削田先生ポートレート)しかし、華やかな経歴は他所に、弓削田の話は常に地に足がついている。恩師とのエピソードを聞くにつれ、あくまでそれらは「ひとつ一つ目の前のことに真摯に向き合い、積み上げてきた結果でしかない」というのが、よく理解できるようになる。

***

 今回から、弓削田優子のピアノ史を巡る連載がスタート。恩師と弟子とのつながりを辿りながら、彼女の豊かなピアノ史を紐解いていきたいと思います。

わたしたちのピアノ教育史 TOPへ