ピティナ調査・研究

U35若手指導者交流会 開催レポート

U35会員交流会
開催レポート

2024年7月23日(火)、35歳以下の若手指導者を対象とした「U35のための会員交流会」を実施し、8名の先生方にお集まりいただきました。参加された先生方と一緒に様々なアイディアを共有しましたので、その一部をQ&A形式でご紹介します。

なかなか練習してこない生徒さんへ、どのように声をかけたら良いでしょうか?
  • 「練習しなさい」だと何をやっていいかわからない子もいるので、何を何回するか、具体的な練習プランを一緒に組み立てるようにしています。(伊藤 綾音先生/長野)
  • まずは、今週何かあったのかな?と考えます。家庭の事情で練習できなかったかもしれないので、もう1週待って様子を見ます。それでも変わらないようであれば、練習の仕方を教えるようにしています。(三田 沙織先生/東京)
導入期の指導で工夫されていることはありますか?
  • 3~4才の生徒さんは最低30分のレッスン時間を取っています。その中でピアノの時間は5~10分、それ以外はお歌を歌う、音楽に合わせて体を動かす、ワークブック、ご挨拶の歌などを取り入れたり、遊びの延長になるように、手作りグッズも活用しています。先生自身も楽しむことを心がけています。(丸山 奈津視先生/北海道)
  • 可愛く飾り付けしたラップの芯や小鳥のイラストを使って音の高低を教えています。1本指で弾ける曲やグーの手で弾ける曲を使って、連弾で楽しんでいます。ミッフィーのぴあの絵本うたとピアノの絵本などを使用しています。(原 万佑子先生/茨城)
  • 別の現場で幼児ソルフェージュの指導をしているので、年中さんくらいまではソルフェージュがメインのコースにしてもらっています。10分くらいはピアノ、20分は絶対音感、リズムゲームなどのソルフェージュ指導に充てています。3歳から始めて1年くらいでピアノコースへ移行していますが、ソルフェージュ指導をしっかりした子とピアノから入った子とでは全然違うので、ソルフェージュに力を入れています。(松山 美穂先生/大阪)
  • 楽器店に勤めていた時の研修や実習を思い返しながら指導しています。まずは幼児・子どもの特性を知ること、男女差もあると思います。歌心を育むこと、手先を器用にしていくこと、読譜の導入を意識しています。石黒加須美先生の、「ピアノの先生に知ってほしい 乳幼児の発達とレッスン」がとても参考になりました。(黄 有希先生/広島)
出産や育児など、どのように仕事とのバランスを保っていますか?
  • 1歳、3歳のときに保育園、幼稚園へ通い始めました。今は二人とも同じ園に通っていますが、月火は子どものためにレッスンは休みにしています。水木は延長保育を使って17時半ごろまで、金曜日は短大での仕事で朝から出てしまうので、子どもたちの送迎は主人の力を借りて、19時ごろまで仕事しています。土曜日はソルフェージュレッスンのあと14時半ごろからレッスンしているので、子どもたちは主人と過ごしています。(松山 美穂先生/大阪)
  • 平日は16時~19時ごろまでレッスン、金曜日は休みにしています。土曜日は8時半~18時ごろまで、日曜日も少しレッスンを入れています。同居家族にも見てもらってなんとか両立している状況です。育休・産休は生徒さんが離れていってしまう心配もありますし、なかなか取りづらいのではないかと思います。長期のお休みは取らなかったですが、レッスン室で子どもを寝かせながらレッスンしたこともあります。保育園に入る前は、ベビーシッターの方に自宅に来てもらって面倒を見てもらっていました。(伊藤 綾音先生/長野)
教室の防音環境について教えてください。
  • 今住んでいる社宅にはピアノが置けないので、実家の防音室を使っています。(小沢 眞理子先生/東京)
  • 実家でヤマハのアビテックスを入れています。(三田 沙織先生/東京)
  • 防音工事をしてもらって、3重くらいになっています。(松山 美穂先生/大阪)
  • 新築で防音にするより、組み立て式の方が半分くらいの予算で収まるので、和室をフローリングにして、カワイのナサールを入れました。アビテックスは小さい窓しかつけられないのですが、ナサールでは大きい窓がつけられるということで、カワイを選びました。(原 万佑子先生/茨城)
参加しての感想
  • 色々な先生方のお話やお悩みを聞けて、悩んでいるのは自分だけではないんだなといつも思わせていただけるので、指導者交流会が好きです。(松山 美穂先生/大阪)
  • 話しやすい雰囲気で参考になりました!(原 万佑子先生/茨城) ・オンラインで様々な素晴らしい先生のお話や悩みの解決策を聞くことができ、とても有意義な時間でした。(田原 優希先生/東京)
  • 1時間という限られた時間内でしたが、導入期のレッスンについての工夫や教材、練習をしてこない生徒さんへの対策について等、全国の同世代の先生方とお話しをすることが出来まして、とても勉強になり、有意義な時間となりました。オンラインという形も、参加しやすく、時間を作ることも可能でした。(丸山 奈津視先生/北海道)

「新しい生活様式」でのレッスンが試行錯誤でスタートしています。小さな気づき、失敗談、試行錯誤を含めた多くの情報・体験談をお寄せいただき、先生方お一人ごとのレッスンをカスタマイズするサポートができればと願っています。「生徒に寄り添って、今できる、私なりの指導」を皆様と一緒に模索していきます。注)各事例を「推奨」するものではありません。また、各記事はその時点の状況です。

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