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テーマ型情報交換会レポート:レッスンでのポップス曲の取り入れ方、活用法

テーマ型情報交換会レポート
レッスンでのポップス曲の取り入れ方、活用法

2022年12月21日(水)、テーマ型情報交換会が実施され、「レッスンでのポップス曲の取り入れ方、活用法」というテーマのもと16名が集まりました。たくさんのアイディアを共有しましたので、その一部をQ&A方式でご紹介致します。

レッスンではどのようにポップスの曲を取り入れていますか?
  • 積極的に取り入れています。レッスンでは教則本を進めて、発表会では好きな曲を弾いてもいいよ、というスタンスにしています。子どもたちはジブリやディズニーが好きなので、よく弾いています。(佐藤 希先生/北海道)
  • 発表会はクラシック、クリスマスコンサートは好きな曲、というように分けています。(渡 直子先生/愛知)
  • 発表会では、ソロの他に連弾コーナーを設けています。ポップスは連弾で取り上げ、リズムの難しさをペア同士お互いカバーしながら仕上げます。また学年が上がってくると家で充分な練習時間を取れないので、その場その場で好きなポップス曲を弾かせています。その際は、飽きがこないようサビだけピックアップします。(大野 真由美先生/奈良)
  • 上半期は発表会に向けてクラシックの練習を、下半期はカフェでのクリスマスコンサートに向けてポップス中心にレッスンしています。私自身クラシック以外の音楽も好きですし、生徒にも広く音楽全般を好きになってもらいたいです。(寺本 杏美先生/大阪)
  • 近年ストリートピアノの流行もあって、ポップスを上手に弾きたい、という小学生が増えたように思います。クラシックが弾けているからこそポップスも弾けるということを伝えるようにし、基礎はしっかりやりつつ余力があったらポップスに取り組むようにしています。(K.H.先生/神奈川)
レッスンでポップスを取り入れて良かったことや、工夫していることはありますか?
  • 今は合唱の伴奏でもポップスらしいリズムが出てくることが多いので、やはりそういったリズムにのれる、弾きこなせることも大切だと感じます。ポップスの作品に限らず、教本の曲もリズムボックスでラテンやロックのリズムを流しながら弾いてみると新たな発見があって面白いですよ。(I.F.先生/山口)
  • 練習のマンネリ化防止になります。その曲をモチベーションにしてもらったり、気分転換にもなるかと思います。コード進行はクラシックよりシンプルなことが多いので、ポップスを通じてコードを学ぶ機会にしています。調が難しい場合は自分でアレンジすることもありますね。(K.H.先生/神奈川)
  • まずは生徒と一緒に歌ってみたり、特徴的なリズムを取り出してリズムを叩きながら歌ったりしています。同じリズムには印をつけたり、コードネームに着目したりしながら、クラシックでも活かせるように工夫して取り組んでいます。(上釜 弘子先生/福岡)
  • ポップスのノリやリズム感でクラシックとは違った難しさを感じてもらうことが、子どもたちの勉強になると思います。(寺本 杏美先生/大阪)
教則本やポップスの楽譜の選び方はどうされていますか?
  • バスティンを使っています。初期のころからジャズやブルースの楽曲に触れることができるので、幅広く学ぶことができると思います。(江尻 あおい先生/千葉)
  • 初心者やまだ小さいお子さんの場合は、メロディとベース音の簡単な楽譜を書いて渡しています。レッスンで取り上げるというより自宅学習用の素材として位置づけています。(長谷川 舞子先生/東京)
  • ぷりんと楽譜で生徒さんのレベルに合ったものを探しています。(Y.M.先生/山口)
  • 簡単すぎるアレンジだと曲の雰囲気が損なわれてしまうことも多いので、少し難しめのものを渡して、そこから弾けないところは省くなどして対応しています。(田中 久恵先生/石川)
  • 最近はYouTubeから楽譜をそのままダウンロードできるようになっているので、音源と合わせて活用しています。(佐藤 希先生/北海道)
参加しての感想
  • 小さいうちからポップス曲を弾きたい生徒さんが増えていて、クラシックの曲をあまりやりたがらない傾向にあると感じています。学校でピアノを弾く時に、ポップス曲を演奏するほうが人気者になれるという先生方からのお話で、時代を感じました。(江尻 あおい先生/千葉)
  • 思っていた以上に色々な先生のお話が聞けて良かったです。クラシックからポピュラーやジャズに流れて行った方は多いはずです。色々な曲を学びたいと思います。(和田 みさ子先生/東京)
  • ポップスを取り入れたレッスンについて、共通の悩みがあることがわかりました。そして生徒の皆様に音楽を好きになってもらうために、ポップスが欠かせない時代になってきたと感じました。(K.H.先生/神奈川)
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