ピティナ調査・研究

会員情報交換会:保護者とのコミュニケーション

新しい生活様式・新しいレッスンスタイル
「新しい生活様式」のレッスンが求められる中、感染予防対策を実施しつつ、対面とオンラインの特性を生かしたレッスン・指導・アドバイスを工夫している先生方がたくさんいらっしゃいます。「Stay at Home, Keep on Music」では、少しずつでも、各地の先生方の体験・情報・ノウハウをできる限り多く集め、この状況のなかでできることを応援してまいります。
開催レポート: 保護者とのコミュニケーションを考える

2020年10月7日(水)、オンラインにて会員向け情報交換会を開催し、全国各地から16名の先生方にご参加いただきました。ゲストスピーカーには広島県の岡野直美先生をお迎えし、今回のテーマである保護者との関わり方についてお話しいただきました。「保護者との信頼関係を築くには、日ごろからコミュニケーションをとり、ご家庭の環境を把握した上で常に心に寄り添うことが大事」と岡野先生。質疑応答の時間には具体的な疑問やお悩みとその解決策も話題にあがり、普段のコミュニケーションの大切さを改めて認識する会となりました。

保護者の付き添いについて
レッスンへの保護者の付き添いについてどのようにされていますか?また、保護者がいることで子供の集中力が削がれる場合はどのように対応されていますか?(上野 弥生先生/神奈川)
  • 保護者の同席はご家庭の判断にお任せしています。(大森 聖子先生/愛知)
  • .基本的に同席をお願いしていますが、集中できない場合は子どもの目が届かないよう、遠くに座って見学していただいています。(大友 惠美子先生/高知)
  • 基本的に小学6年生までは保護者の付き添いをお願いしています。保護者の目が気になってしまう生徒は付き添いなしでレッスンしていますが、その場合はビデオを撮って自宅で復習してもらっています。(岡野 直美先生/ゲスト)
ビデオを撮る場合はレッスンの最初から最後まで撮るのでしょうか?(木本 あゆみ先生/神奈川)
  • 特に決まりはないのですが、ワークやソルフェージュは撮らず、ピアノのレッスンに入ってから録画をすることが多いです。(岡野 直美先生/ゲスト)
子どもの音楽的自立について
保護者のサポートから離す移行期が難しそうに感じたのですが、注意すべき点はありますか?(大森 聖子先生/愛知)
  • 自立のために、まずは自力で音が読めるようになる必要があります。私の教室では「はやよみシート」というグッズを使い、入会1~2年の間に音が1秒で読めるようになる状態を目指します。また、未就学児を除いて私が楽譜に注意を書いてあげることはしません。生徒自ら楽譜に書き込むことで理解が高まり、集中してレッスンに取り組むようになります。(岡野 直美先生/ゲスト)
レッスンへの関心を高めてもらうために
ピアノ未経験の保護者にレッスン内容を適切に伝えるためにどのような説明をしていますか?(原田 美和子先生/東京)
  • 保護者には「お子さんと一緒に学んでください」と伝えています。子どもと一緒にレッスンに参加することによって、保護者もだんだんと耳が育ってきます。(岡野 直美先生/ゲスト)
たくさん習い事をしていて、ピアノが最優先でないご家庭も多いのですが、それに対してどのようにされていますか?(大森 聖子先生/愛知)
  • 私の教室の生徒も様々で、全員がピアノを最優先にしているわけではありません。長い年月習っていればピアノに注力できる時期もあれば、受験に専念する期間もありますので、その子、その時期に応じて目標を変えています。練習時間を充分に取ることが難しい場合は、レッスンの時間を使って一緒に練習をしています。(岡野 直美先生/ゲスト)
部活や受験をきっかけとしてピアノを辞める、という道を選択させないためにできることはありますか?(S.S.先生/栃木)
  • 私たち指導者が一生懸命引きとめるのではなく、生徒自身が「ピアノを辞めたくない」と思えることが大事だと思います。そのために、「○○ちゃんはとても音が綺麗ね」「聴音が得意だね」と、良いところを本人にも保護者にも伝えるようにしています。勉強や部活で忙しい日々の中で、ピアノがリフレッシュになっている状態が作れればいいですね。(岡野 直美先生/ゲスト)
コンクールや発表会に苦い思い出があり、ステージに立つことに消極的になってしまうケースがありました。どのようにお声がけしたらよいでしょう?(築山 愛先生/福岡)
  • 同学年や年の近い教室のお友達と交流し、仲間ができると自然に前向きに参加できるようになります。生徒同士の繋がりを持たせてあげるのも、指導者の役目だと思っています。(岡野 直美先生/ゲスト)
生徒自身はコンクールに興味を持っているものの、保護者にとっては負担が重いのか、消極的になってしまう方がいます。(H.K.先生/神奈川)
  • 私と生徒で頑張るので任せてください」と伝え、その状況でも結果を出せるように努力します。とは言え、毎回結果が出るわけではありません。生徒と一緒に喜び、一緒に泣いています。(岡野 直美先生/ゲスト)
保護者とのコミュニケーション
時代とともに価値観や親子の関係性が変化しているのを感じています。また、自身の年齢が上がっていくにつれて、上から目線と保護者に捉えられてしまわないか不安です。世代が離れた保護者との付き合い方で意識していることはありますか?(泉 千草先生/兵庫)
  • 今の時代の生徒さん、保護者に自分から近づくしかないと思います。自分とは違った考えをお持ちの方と出会うこともありますが、譲歩しながら耳を傾けるようにしています。(岡野 直美先生/ゲスト)
  • 私の場合、保護者は自分より年上の方が大半です。忙しい中でレッスンに付き添ってくれることへの感謝の気持ちを忘れないようにしています。(築山 愛先生/福岡)
保護者会などはしていますか? (築山 愛先生/福岡)
  • 保護者会はしていませんが、コンクールの慰労会や子供たちが参加するイベントを開催し、保護者同士が繋がる機会を作っています。(岡野 直美先生/ゲスト)
保護者との連絡手段はどのようにされていますか?直接お話しができればいいのですが、お忙しい保護者も多いので、手軽に連絡取り合うにはLINEがいいのか…と悩みどころです。(里見 恵先生/千葉)
  • 最初はLINEを使うことに抵抗があったのですが、動画・写真を手軽に送り合えるという利点もあり、取り入れることにしました。私は公式アカウントを活用しているのですが、一斉送信が可能なので便利です。(岡野 直美先生/ゲスト)

「新しい生活様式」でのレッスンが試行錯誤でスタートしています。小さな気づき、失敗談、試行錯誤を含めた多くの情報・体験談をお寄せいただき、先生方お一人ごとのレッスンをカスタマイズするサポートができればと願っています。「生徒に寄り添って、今できる、私なりの指導」を皆様と一緒に模索していきます。注)各事例を「推奨」するものではありません。また、各記事はその時点の状況です。

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