ピティナ調査・研究

Vol.15 対面レッスンで気づき難い面を探って(オンラインレッスンレポート)

オンラインレッスンレポート
新型コロナウイルス感染症拡大抑止のため、各地で対面レッスンを自粛し、オンラインでのレッスン・指導・アドバイスを工夫している先生方がたくさんいらっしゃいます。「Stay at Home, Keep on Music」では、少しずつでも、各地の先生方の体験・情報・ノウハウをできる限り多く集め、この状況のなかでできることを応援してまいります。
Vol.15 対面レッスンで気づき難い面を探って/篠崎みどり先生(正会員/東京都目黒区)
レッスン方法 Zoom, Facetime(リアルタイム)
使用機材 スマートフォン、三脚、iPad Air、Bluetoothスピーカー
生徒さんの対象年齢 中学生以上
セッティング
  • カメラの三脚にスマホをセット出来るものを使用しています。角度や高さを自由自在に調節出来るので鍵盤も良く映すことができます。
  • もう一台iPad Airを譜面台に置いています。これで相手の表情をよく見ることができます。
  • 音はBluetooth接続したスピーカーから出るようにしてあります。 音、画像、言葉のタイムラグや、通信時間帯によりプツプツ切れてしまうことはどうしてもあります。
対面レッスンで気づき難い面を探ってアドバイス

しかし、マイナス面を気にしてはレッスンになりませんから、対面で気付き難い面を探りだして生かした方法をとっています。 例えば私は、対面レッスンでは常に右側の楽器に座っているので、どうしても左手への指摘が少なくなりがちな事もあります。オンラインではそちらもよく見る事が出来ますから、見逃さず色々な角度からアドバイスできます。このことは、指導にプラスに働いているかと思っています。音の出し方、手の形、手首の使い方や動き、肘の動かし方、指の運び方ひとつにしても出てくる音色までが変わりますから。
このスタイルで音色まで把握するのは厳しいと思いますが、こうした点をよく見ることで、指導者の想像力で補うことができます。

また私の方も弾く事で、生徒は真剣に映像を覗きこんで模倣をします。機器を動かすことで、ペダルでもどこでも見ることは可能ですから…無理などという事はありません。そのように細やかな事に行き届くというプラス点も働きます。

恐らく対面レッスンに戻った時に、指導者側も生徒側も、変わった結果になっているでしょう。

指導側は画面を通しての指導のため、慣れない分疲れはありますが、生徒はレッスンした分やはり上達度は比例して参ります。成果が出る事を考えますと、このような方法も今後も時には効果的かと思います。 例えば台風、大雪など交通機関麻痺状態の時も、オンラインツールを使ってのレッスンに切り替えて行うことも考えられるようになりました。

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