Vol.13 指導者・生徒のための手引きを(オンラインレッスンレポート)
レッスン方法 | Zoom、NetDuetto、Discord(リアルタイム) |
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使用機材 | 先生側:ノートパソコン(ペン入力対応、タブレット型)、外付けカメラ、オーディオインターフェス(Zoom F8)、コンデンサマイク(DPA2006A・A-Bステレオ配置/AKG C111LP)、ヘッドホン 生徒側:ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、外付けマイク等 |
生徒さんの対象年齢 | 小学生~音大生、大人 |
フェイスブックで公開した「オンラインレッスンの手引き」は、非常に多くの反響をいただきシェア400件以上、1万DLを超えました。(2020年5月13日時点。この記事の最後にダウンロードリンクがあります。)
FaceTimeやSkypeも通信環境によってかなり快適に聞こえることがありますが、これらのソフトでは音量自動調整、ノイズ低減処理などの音の加工処理が入ってしまいます。ぱっと「いい音」に聞こえても、実はコンピュータに「加工」してしまった音…イヤですよね。できるだけ《生》に近い音で!という点にこだわり試行錯誤を重ね、現段階ではZoom、NetDuettto、Discordの3つを使用しています。
パソコンが使用できる場合は、音質設定を適切に行ったZoomでレッスンしています。タッチや音色の繊細なレッスンが必要な生徒には、極力NetDuettoの併用をお願いしています。
パソコンが使用できない場合、残念ながら忠実な音を伝えるスマホアプリはありません。音の加工処理がOFFにでき、音質が安定していて通信容量が比較的小さいことから、Discordをセカンドチョイスとしています。
ピアノのレッスンで一番大切なのは「口元で集音できること」。自動音量調整が入らない「ピュア」な音環境では、話し声が聞こえなくなってしまいます。ヘッドセットなどは、高音質をうたった製品の多くに音質調整機能が入ってしまいます。 《音楽用》のピンマイクや耳掛けマイクを使わない限りは、iPhoneにオマケでついているマイクのほうがよい結果となります。高いから良いわけではないのでご注意ください。
レコーディング機材などを揃えていたこともあり、レッスン室にはスタジオレベルの収録性能があります。A-B方式のステレオマイクと、口元のラベリアマイクを適度にミキシング処理して、NetDuetto経由で送り出しているときは、ほとんどその場にいるかのようにスタインウェイの響きが伝わります。カメラは、手持ちの小型カメラを三脚に固定して使用。状況に応じて、タッチをアップでみせたり、身体の使い方をみせたりと、移動させられるのが便利です。
もともとは、自分の生徒のために、作り始めたものがベースになっています。その後、ほかの大学の先生からも「教えてほしい」という声を受けて内容を充実させました。大学でのオンラインレッスンが本格的に始動することになり、すべての学生に、ベストの環境でレッスンを受けてもらえるように、またご年配の先生方までしっかりとセッティングができるよう、ステップ・バイ・ステップでの画像入りとしました。最終的に、楽器店に勤める生徒の一人が、目次など再編集してくださいました。これが、いま皆さんにお配りしている最新版です。
新型コロナウイルス感染症の影響は、この後もまだ続きそうです。大切な生命をまもりつつ、大好きな音楽を伝えていくこと。また、若い音楽家たちには、取り返しのつかない「いま」という時間を無駄にさせないこと。この手引きが、「いま、音楽を学ぶことをあきらめない」ために、広く活用していたければ、この上ない喜びです。
「オンラインレッスンの手引き」の最新版はこちらからダウンロードしていただけます。最新版更新情報もこちらからご確認ください。
菅野雅紀執筆「オンラインレッスンの手引き」(指導者用・生徒用)ダウンロード