ピティナ調査・研究

Vol.12 オンラインで毎朝ハノン練習会(オンラインレッスンレポート)

オンラインレッスンレポート
新型コロナウイルス感染症拡大抑止のため、各地で対面レッスンを自粛し、オンラインでのレッスン・指導・アドバイスを工夫している先生方がたくさんいらっしゃいます。「Stay at Home, Keep on Music」では、少しずつでも、各地の先生方の体験・情報・ノウハウをできる限り多く集め、この状況のなかでできることを応援してまいります。
Vol.12 オンラインで毎朝ハノン練習会/横山朋子先生(正会員/栃木県宇都宮市)
レッスン方法 Zoom(リアルタイム)
使用機材 指導者:パソコンもしくはiPad/生徒:iPad、スマホ
生徒さんの対象年齢 小学5年生~高校生(子供専用のタブレット・スマホを使用できる生徒さん)
形式 ハノンのグループ練習会、参加者10名前後、平日毎朝9:00~9:20
生活リズムの保持+基礎テクニックの習得

3月から続いていた休校が引き続き延長されました。朝20分くらいなら皆さんが無理なく参加できると思い、平日毎朝9時から9時20分を目安にオンラインで「みんなでハノン練習会」をおこなっています。休校中にピアノが上手くなる、というのは建前(笑)。ただでさえ朝起きるのが苦手な中・高校生、ましてその年代のお子さんはご両親はお仕事という方がほとんどですので、朝の練習をオンラインでやることで生活習慣の乱れがないように心身共に始動することが一番の目的です。あわせてピアノ基礎テクニックの習得もできれば、という考えで始めました。

セッティング
  • 外付けカメラも使い、真上指導者の顔が見える位置に設置。
  • PC内臓マイク&スピーカーでなく、指導者側の声とピアノの音は外付けマイクで集音生徒の音を聴くのはヘッドホンを使用。
進行方法
  • 呼吸・脱力のストレッチをした後、決められたハノンの番号をゆっくり・リズム替えなどで各々練習します。練習中は生徒側のマイクはミュート
  • ②生徒の動きを観察し、練習が終わっていそうな子から2~3名を順にミュートを外し、順番に発表させます。その時ミュートされている他の生徒は聞いていても良いし、発表している生徒に合わせて弾いても良いとします。
  • ③練習会の後に一人ずつ名前と今日のスケジュールを発表します。コミュニケーション力、プレゼン力の向上につなげたいと考えています。
やってみて感じたこと
  • 最初は繋ごうと思った生徒さんの音声が聴こえないなどアプリケーション操作に手間取りました。あらかじめ一度は繋いでみるのですが、皆さん初めてのことで慣れるまでに数日かかりました。
  • コンクールや本番の曲を仕上げることに時間をとられ、ハノンなど基礎練習がなおざりになってしまうこともありましたが、今回改めて時間を取ることができました。異年齢グループなので、生徒間で切磋琢磨するチャンスです。ハノンでしたら年齢に関係なく弾けるのでもってこいです。
  • 保護者の方からは、一日のよいスタートを作ってもらえてよかった、ハノンをしっかりとやるようになった、などの声をいただいています。また生徒さんからは、毎朝友達に会える、という声が一番嬉しそうです。
この環境の変化に思うこと

この夏ピアノに限らず全ての学生たちの目指す祭典がなくなりました。野球、インターハイ、バレエのコンクールも。目標を見失いがちですが一度じっくり、音楽と自分、自分の人生をかけてやってきた音楽教育の本当のあり方を見つめ直していく機会としたいと思っています。今年はコンクールのない年です。だからこそ本当に音楽を楽しみ、音楽が人生の友となる―これを探る夏にしたいと思います。

「新しい生活様式」でのレッスンが試行錯誤でスタートしています。小さな気づき、失敗談、試行錯誤を含めた多くの情報・体験談をお寄せいただき、先生方お一人ごとのレッスンをカスタマイズするサポートができればと願っています。「生徒に寄り添って、今できる、私なりの指導」を皆様と一緒に模索していきます。注)各事例を「推奨」するものではありません。また、各記事はその時点の状況です。

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