ピティナ調査・研究

Vol.10 オンラインレッスンを見てみよう(オンラインレッスンレポート)

オンラインレッスンレポート
新型コロナウイルス感染症拡大抑止のため、各地で対面レッスンを自粛し、オンラインでのレッスン・指導・アドバイスを工夫している先生方がたくさんいらっしゃいます。「Stay at Home, Keep on Music」では、少しずつでも、各地の先生方の体験・情報・ノウハウをできる限り多く集め、この状況のなかでできることを応援してまいります。
Vol.10 オンラインレッスンを見てみよう/今野万実先生(正会員/大阪府堺市)
レッスン方法 zoom(リアルタイム)
使用機材 パソコン、スマートフォン、卓上ベル、ホワイトボード
生徒さんの対象年齢 小学生、中学生

今野万実先生のオンラインレッスンを見てみよう!

オンラインレッスンの様子を、画面そのままにお見せします。先生の指導は、生徒さんからカメラ越しにどう見えているのか?先生には生徒さんの様子がどの程度伝わるのか?同じ視点でご覧いただくことができます。

2分間ダイジェスト(4月22日、26日撮影)

Vol.1 A1級 男の子
Vol.2 B級 女の子

★ピティナ・eラーニングでは30分のレッスンをそのままご覧いただけます。

今野万実先生のeラーニングはこちら
今野万実先生にきく!オンラインレッスンQ&A

レッスンの撮影当日は、数名の先生方が今野先生のオンラインレッスンの様子を画面を通じて見学されました。終了後は、質問が止まりませんでした。そのいくつかをご紹介いたします。

Web関係やパソコン機材の取り扱いに弱く、機材もそろっていません。万全な体制にしてからオンラインレッスンは始めるべきでしょうか

私は自称地球一のアナログ人間で、オンラインレッスンを始めた時は、パソコンの電源の入れ方すら忘れていました。でも「悩むより慣れて!」と友人からアドバイスを頂き、毎日ハプニングと共に使い続けることで、パソコン操作だけでなく、オンラインレッスンそのものから色んなことが見えてきました。 もちろん機材が揃っている環境には憧れますが、オンラインレッスンで一番大切なことは、対面レッスン同様、我々指導者と生徒さん側との信頼関係だと思います!画面を通してでも、伝えたい!ピアノを弾いてほしい!という想いは、子供達が全身で受け取ってくれます。

速いパッセージやペダルをたくさん使う曲になると、うまく音を拾ってくれず、レッスンが成り立たなくなる事ってありませんか?

確かに音の限界はあります。
向いてる曲と向いてない曲がありますね。 私は具体的には、今「バロック・クラシック強化月間」にしています。元々大好きなバッハを自分自身も勉強しながら、生徒たちと深く掘り下げていっています。

画面越しではお互いに伝わらない事が多いのでは?

たとえ音質が悪くても、我々指導者は、画面を見ながら、指の入れ方、身体の使い方から音を想像できます。どんな音が鳴っているか、頭の中で音が鳴るのです。そして対面レッスン同様、分かりやすく伝える為の様々な工夫を凝らしながらコミュニケーションでカバーしています。今まで以上に「見せる工夫」「レッスンの視覚化」を大切にしています。例えばホワイトボードに、その瞬間に伝えたい事を具体的に書いて見せ、生徒の音に反映してもらっています。

オンラインレッスンをしていると、大きな声を出して疲れてしまいませんか?

確かにいつものレッスンよりパワーを使いますね。
とかく大声を出してしまいがちなので、私は演奏を止めてほしい時に、「卓上ベル」を使います。チーン!と鳴らすと声よりも子供達が早く反応してくれます。ピアノの高音部を鳴らすのもお勧めです。 とにかく先生と生徒がオンラインレッスンで生じるストレスを減らしていくことがポイントです。演奏にすかさず対応出来る様に、手の届く範囲に、ベル、ホワイトボード、グッズを配置しています。オンラインレッスンでのタイムラグを乗り越えるべく、テンポ感のあるレッスンを心がけています。

オンラインレッスンは保護者の同意を得られるか不安です…

非常に分かります!
私は一回目無料でいいので、オンラインレッスンをお試しで受けてもらえませんか?と保護者の方々にお願いをしました。実際に体験してもらって、今までと何ら変わらないですよ、私の声も音も、そして伝えたい内容は画面越しでもきちんと伝わる事を実感してもらいました。オンラインレッスンでは、機材や環境を保護者の方にご準備頂かねばなりませんので、レッスンの都度、感謝を伝えご協力をお願いしています。

オンラインでのレッスン見学参加者からの感想
  • 初めてのオンラインでの公開レッスンを見学しましたが、とても楽しく拝見しました。 オンラインでは出来ないことも多く、子どもたちや保護者の方に対して、どうしても引け目を感じる部分があり、やりにくいという気持ちがありましたが、先生の、オンラインレッスンは対面レッスンと何ら変わらないと、子どもたちとのコミュニケーションに重きを置いておられることが大きな発見でした。 保護者の方々にオンラインはやりにくい、と思われないよう、音のことや表情のことに関して、敢えてあまり突っ込んだレッスンをしないようにしてきましたが、それも含めた上で、表現をより大袈裟に!普段と同じ熱量で指導されていることに目から鱗。逆転の発想だと、感じました。
  • アングルがとても良い角度で先生の表情や指先、手や腕の動きも良く見え、生徒さんや見守る保護者の方にもわかりやすく細部まで工夫されているオンラインレッスンでした。 レッスン内容では、「やりたい事と守る事」を考え、生徒さんの気持ちも尊重しつつ大切な事はきちんと伝える今野先生の愛情深いご指導、言葉選びは、このコロナの不安な状況の中、生徒さんにも保護者の方にも元気と勇気を与えるあたたかいピアノレッスンだと思いました。見学させていただけて勇気100倍になりました。
  • オンラインレッスンを見学して、オンラインでも万実先生って生徒に伝えるパワーが劣らない、本当に一生懸命なんだ…と、熱いお姿を見ていたら、今この現状に気持ちが負けそうになっていた自分自身が恥ずかしくなり、私ももっと頑張らなくちゃいけない‼と、込み上げてくる気持ちがありました。 万実先生と生徒さんのやりとりを見ていたら、早くレッスンがしたくて、したくて堪らなくなりました。
今野万実先生スペシャルインタビュー公開中

「オンラインレッスンへの葛藤」「オンラインレッスン見学をお引き受けするにあたって」といった、今野先生からのメッセージを公開中。こちらもあわせてご覧ください。   
★今野万実先生スペシャルインタビューはこちら

「新しい生活様式」でのレッスンが試行錯誤でスタートしています。小さな気づき、失敗談、試行錯誤を含めた多くの情報・体験談をお寄せいただき、先生方お一人ごとのレッスンをカスタマイズするサポートができればと願っています。「生徒に寄り添って、今できる、私なりの指導」を皆様と一緒に模索していきます。注)各事例を「推奨」するものではありません。また、各記事はその時点の状況です。

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