ピティナ調査・研究

グランプリメッセージ Vol.8 篠永 紗也子さん(2015特級グランプリ)

グランプリメッセージ

Stay at Home, Keep on Musicの趣旨にご賛同いただいたピティナ・特級グランプリの皆様から、ピアノを演奏している皆様へ向けて、メッセージをいただきました。グランプリによる演奏も、おうちの音楽時間にお楽しみください 。

◆ 2015年度 特級グランプリ篠永 紗也子さんからのメッセージ

皆様お久しぶりです。
コロナウイルスが猛威を奮っており、不安な日々が続きますね。
私が留学しているウィーンでは、1ヶ月半前からロックダウンが始まり、近頃は徐々に緩和されているらしいのですが、まだ油断はできない状態が続いております。
ロックダウンしてからは、大学も閉鎖され、いつも練習は学校でしておりましたので、練習が出来なくなってしまいました。
店もスーパー以外はすべて閉まってしまい、トイレットペーパーはどこを見ても売り切れで、必死に探しました。
いつも当たり前だった日常が、こんなにも幸せなことだったのか、と痛感しました。
結局私は、3月末に日本へ一時帰国し、今は実家にいるのですが、(大学生になって以来初めてこんなに長い時間滞在しております…!) こんな経験は人生で一度あるかどうかという、非常にレアな経験をしているなぁ、と前向きに(脳天気に)とらえることにしています。
ほどほどに休み、くつろいでいる時に沢山CDを聴いて、「こんな曲を弾けるようになりたいな」と夢を抱くこともいいでしょう。
そうすると、徐々にピアノを弾きたくなってくると思います。
練習があまり好きではない私も、だんだんとそんな気持ちになってきました。笑
「家にいることが、一日一善」、「今日もコロナウイルスの感染拡大を防いだな、えらいぞ私」と自分に言い聞かせてみてください。
最後に、私が読んだことのある作品からオススメの一冊、水野敬也著『夢をかなえるゾウ』を皆様にご紹介します。
こちらの作品は、ベストセラーとなり有名な作品ですので、もう読んだことがある方もいらっしゃるかもしれません。
本が苦手という方は、過去に同作がドラマ化しており(今をときめく小栗旬さんの若かりし日を拝むことができます)Amazonプライムで見られますので、ぜひ見てみてください。
その中で、象の神様ガネーシャが、夢を叶える為に沢山の課題を出してくれます。その中でも、印象に残ったいくつかの課題を、ここでご紹介させていただきます。

♪【靴磨きをする】←いつもお世話になっているものを綺麗にするという意味なので、私たちでいうと「ピアノ」になるのでしょうか。
♪【運が良いと口に出して言う】
♪【応募する】

コンペは今年は開催されませんが、課題曲チャレンジという新たな試みが始まりました。またG,Pre,特級は一次予選がオンラインで開催されます。 一度きりの人生です。可能性を感じるところにどんどん応募してみてください!

♪【毎日、感謝する】
家族と過ごす時間も、増えると思います。
日頃の感謝を込めて、お母さんのお手伝いをしてみるのも良いかもしれません。
充電をたっぷりして、また笑顔で皆さんとお会いできる日を楽しみにしております!
今は我慢の時。力を合わせて、頑張りましょう!

第39回ピティナ ピアノコンペティション特級グランプリ
篠永紗也子
篠永 紗也子さんの名演を振り返る
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番(2015特級ファイナル)
渡邊一正指揮東京シティ・フィル
全身全霊で没入する篠永さんの魅力満載の演奏
ラヴェル:夜のガスパール(全曲)
折に触れて愛奏してきたレパートリー、2016年の演奏から
Profile
篠永紗也子
石川県出身。東京音楽大学器楽専攻 ピアノ演奏家コース卒業。同大学院音楽研究科修士課程修了。在学中に、特別特待奨学金を得る。 2008年、いしかわミュージックアカデミーIMA音楽賞受賞。2014年、第17回金沢フレッシュコンサートオーディショングランプリ、第1回イモラ国際ピアノオーディションinJAPAN大学・一般の部第1位、2015年、第39回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、併せて文部科学大臣賞、東京シティ・フィル賞、読売新聞社賞、2018年、第37回飯塚新人音楽コンクール第1位、併せて文部科学大臣賞、朝日新聞社賞など多数受賞。 これまでに、井上道義指揮、オーケストラアンサンブル金沢、渡邊一正指揮、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、前田陽一朗指揮、サン=オートム室内オーケストラと共演。International Piano Festival in Naleczow( Poland)の招待を受けソロリサイタル及び、ルブリン交響楽団とショパンピアノコンチェルト第1番を共演、第48回ティアラこうとう定期演奏会にて飯守泰次郎指揮、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団と共演し、好評を博す。2020年5月、北陸新人登竜門コンサート優秀賞に選出され、鈴木織衛指揮、オーケストラアンサンブル金沢と共演予定。大学在学中、東京音楽大学ピアノ演奏会~ピアノ演奏家コース成績優秀者による~に出演。また、日本各地でのピティナ支部主催入賞者演奏会へのゲスト出演。ベーゼンドルファー東京、ヤマハ銀座コンサートサロン、カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」等にて、多数リサイタル出演。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン丸の内エリアコンサートほか、ウィーン国立音楽大学リストザールにてジョイントリサイタルにも出演し、海外でも演奏活動を行う。 ピオトル・パレチニ、パスカル・ロジェ、チュン・モ・カン、アンヌ・ケフェレック、ブルーノ・リグット、ローナン・オホラ、ケヴィン・ケナー、ミシェル・ダルベルト、エリソ・ヴィルサラーゼ、ジャック・ルヴィエ他、各氏の特別レッスンを受講。 これまでに、泉屋知子、小野隆太、清水目千加子、鶴見彩、多美智子、石井理恵、鈴木弘尚、仲田みずほ、佐藤彦大、鷲見加寿子の各氏、室内楽を山田武彦氏に師事。現在、ウィーン国立音楽大学にてアンナ・マリコヴァ氏に師事。