ピティナ調査・研究

学校に行けなくたって~10歳の挑戦(わたしのKeep on Music 第14回)

わたしの Keep on Music
第14回 学校に行けなくたって~10歳の挑戦
鈴木美音さん(小5)&鈴木直己先生(作曲会員/愛知県豊橋市)
好きな作曲で、休校中のみんなを元気づけたい!

私は今、小学5年生ですが、学校は休校中です。時間がたくさんある今だからこそできることをやってみたいと思いました。何にしようかと迷っていましたが、「私が好きなこと=曲作り」が一番いいのでは、と思い、作詞・作曲・うた・演奏全て、1人15役に挑戦して、このような動画を作ってみました。

★こどもひとり音楽隊 「学校に行けなくたって」

前に池辺晋一郎先生から「どんどん曲を作ってください」と励ましのお手紙をいただいたことを思い出し、次の2つのことを目あてとして曲作りをスタートしました。

① 普段は忙しくてあまり触れることのなかった色々な楽器に挑戦して1つの作品を作る
② 学校に行けなくても家で好きなことをがんばれるような、楽しい音楽を作る!

楽器は、ピアノ・ソプラノリコーダー・鍵盤ハーモニカ・ハーモニカ・ドラムス・トライアングル・鈴・クラベス・ギロ・シェイカー・タンバリン・ホイッスルを使いました。

演奏したものは、作曲家のお父さんが編集して、1つの動画にしてくれました。1つ1つ楽器を演奏して重ねて録音して行くうちに、音楽がどんどん豪華になってびっくりしました。アーティストのCDみたいで感動しました。次々と録音して行く時、それに合わせて打楽器のリズムを取るのが大変で時間がかかりましたが、最終的に自分の演奏だけで完成できたことがとてもうれしいです。次は新しい楽器にもチャレンジして、今回とは違ったタイプの曲(短調の曲やメロディが美しい曲)も作りたいと思いました。また、バッハみたいなフーガ作品を小学生のうちに書くことも目標です!

学校に行けなくて家でがんばっているみんなや、コロナで大変な思いをしている人が、この曲を聴いて楽しく元気になってもらえたらいいな、と思います。

「課題曲チャレンジ」でも納得いくテイクを追求
美音さん、直己先生より

現在、ピティナの「課題曲チャレンジ」に父娘で取り組んでいます。A1級から参加し続けていたピティナのコンペティションや、その他のコンクールなどに向かって毎日練習を積み重ねていましたが、中止となった時には、やはり少し気が抜けてしまいました。

もちろんコンクールだけが目的ではなく、音楽と共に楽しく過ごす、音楽性を養うことが本来の学習目的ではありますが、目の前からフッと目標が消えてしまうとモチベーションを保つが難しいと感じていました。そんな矢先、課題曲チャレンジを知り「このチャンスを逃す手はない!」と思い、コンペと同じ気持ちで練習に励んでいます。

ホールでの一発勝負とは違い何テイクも撮れるため「今度はここをこう表現してみよう」「あの一音が惜しかった〜」などといった感じで、なかなか納得の行くテイクに辿り着くことができません。ただその分、確実に演奏量は増えるわけで、緊張感を持った練習を繰り返すことで娘の成長を実感しています。

幅広い音楽性を身につけるために
直己先生

小学5年生の今、学校や日常生活の中で学ぶべきことがたくさんあり、また宿題にも追われる日々ですが、音楽が中心の生活を送っています。家庭での音楽学習は、音楽の基本であるクラシック音楽の勉強、およびそのまた基本であるピアノの練習をメインとしながら、西洋音楽の基礎(特に古典派)となる機能的和声法などの学習も進めているほか、幅広い音楽性を身につけるため、ポップスやジャズのビート(4ビート・8ビート・16ビート)を感じられるようなリズムトレーニングを行っています。

今後は、作曲や編曲に役立つように、ピアノ以外のいろいろな楽器の仕組みや演奏を習得させたいと考えています。

録画・編集について

ステイホーム期間に、多くの皆さんが動画を制作されているということで、ご参考までに、今回の動画を制作するに当たっての手順を以下に記しました。

元となる音源制作

楽器演奏の多重録音=ポップスなどの録音と同じ手順です

  • 屋台骨であるリズム(ドラムス)を録音
  • コード楽器(今回はピアノ)を録音(←先に録ったリズムを聴きながら)
  • 細かい打楽器を録音(同上)
  • メロディー楽器(リコーダー・ハーモニカなど)を録音
    ここでいわゆるカラオケが完成
  • 歌を録音(←出来上がったカラオケを聴きながら)
  • 各楽器のバランス、音質・音圧等の調整(ミックスダウン)

動画撮影

出来上がった音源を聴きながら、全ての楽器を1曲通しで演奏風景を撮影(三脚使用)。その際2〜3の異なるアングルで撮影しておく(全体・アップなど)。なお、この段階でズーム等は使用しておりません。

編集
  • macに標準装備されている動画編集ソフト「iMovie」を使用。
  • 事前におおよそのカット割を決めておき、音源に合わせていろいろな楽器の演奏素材を切り貼りしてつなげて行く(動画自体の音量はゼロに)。 ←カット割を考えることが最重要です!
  • iMovie内でできる機能(ピクチャインピクチャ・左右分割・ズーム・トランジションなど)を使って視覚的効果を取り入れる
  • 必要な箇所にテキスト(文字)を配置する
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