仮装も楽しむオンライン発表会(わたしのKeep on Music 第12回)
コロナによる子供たちの状況は、私が仙台で体験した東日本大震災の状況にとてもよく似ていると感じました。放射能を恐れ外出できなくなり、怖いニュースも流れ、家で過ごしてばかりいるうちに子供たちが「疲れた疲れた」と言うようになったのです。休校が決まり、非常事態宣言が出て、どの様なストレスがやってくるか想像することができました。
こんな時こそ音楽だ!子供たちのために何かしたいと思いました。
そんな中、子供たちの教育を止めず、人との関わりを絶たず、モチベーションを維持するものとして、楽しく経験値を上げることもできる「オンライン発表会」がトンネルの先の光になるのでは、と思い立ちました。
オンライン発表会は、音質が悪いことは全員が理解していました。目的はクオリティーの高いピアノ発表会ではなく、子供たちの心の健康とモチベーションの維持でしたので、今あるネット環境でできることをしようと思いました。
慣れた関係であっても、オンラインで人前に出る事に対して、性格的に前向きな子と消極的な子がいましたが、お友達とワイワイしたい気持ちは同じです。消極的な子達にどんなフォローができるか考え、それぞれの大切な「ぬいぐるみ」などに挨拶させる事を子供達に提案しました。ぬいぐるみの心理学です。「好きなようにパフォーマンスしていいよ、みんなが楽しくなる事をしよう!」とも伝えました。
すると本番、忍者の格好で演奏する子、お手製の工作帽子をちょこんとつけて演奏する子、ペットの猫ちゃんを抱いて、その温もりに癒されながら挨拶する子、みんなに笑ってもらうために髭をつけて演奏する子が登場したのです!!
「ヘビ使い」と言うインドの曲を弾く子は、電子ピアノでシタールの音色に似たハープシコードで演奏し、頭には仏師のお父様が仏様を包むサラシでターバンを巻いて下さっていました。「パリの花売り少女」を弾く子はアコーディオンの音色にするなど、お家ならではの電子ピアノの良い面もありました。レッスンを始めて間もない子も、私の「ねこふんじゃった」の動画配信を見て弾ける様になり発表会に初参加しました。
ぬいぐるみに挨拶をさせている子達も、普段のステージ挨拶に比べて、とても自然で柔らかい、はにかんだ笑顔を見せてくれたのが印象的でした。
そのような微笑ましい子供達の演奏を家族団欒の中で、みんなで画面を覗き込んで楽しむことができた事は、私にとっても大きな喜びになりました。
生徒さん、親御さんたちからも、緊張したけれど楽しかったのでまたやりたいと好評で、5月末にまた開催することになりました。
- 対面レッスンが出来なくなり残念だったけれど、ブランクを感じることなくオンライン発表会という目標を持つことができ、子供も楽しんでくれてありがたかったです。
- 子供たちが自ら仮装の準備を進めていました。何かお友達にアピールしたかったようです。
- みんなのお顔と演奏を、家にいながらオンタイムで見て聴いて有意義でした。
- 刺激的でやる気に繋がりました。次回は自分もパフォーマンスしようかな?とイメージを膨らませています。
- お友達の好きなものやお家での様子を垣間見ることができ、親近感が増しました。
- 一緒にいる感覚も予想以上にあり、今までに無い新しい体験として楽しめた部分も大きいと思いました。
- 次回のオンライン発表会も楽しみにしているので、今度はもっと大きいパソコン画面で見ます!
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