好評連載していた『ピアノの19世紀』が書籍として出版
音楽学者の西原稔先生の執筆により、2007年から昨年11月にかけて連載されていた「ピアノの19世紀」がこのたび、アルテスパブリッシングにて再編集、改稿を経て、出版されることになりました。タイトルは「ピアノ大陸ヨーロッパ」。4月20日から店頭発売されます。
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現代にも続く産業化社会、産業に携わる市民による文化、いわば「普通の人」が文化の担い手になる社会が成熟していく過程と、ピアノが発展、普及していく過程は期を一にしています。
ピアノは近代ヨーロッパの歴史を考える上で、誠に象徴的な楽器であり、当時の最先端技術を結集して作られた工業製品でもあります。
書籍版のPART1ではピアノと社会の関わりが論じられます。PART2は、ピティナでの連載で中心的なコンテンツとして人気を得ていた、ユニークな切り口の「ピアノ音楽風土記」。終章では19世紀ピアノ曲の各ジャンルの中でも特徴的な「ノクターン」について、その「ゆっくり、ゆったりした」ロマンチックな音楽性が生み出された背景に迫ります。
弾いたり聴くだけでも楽しい「ピアノ」ですが、その成り立ちや歴史的な意味について、思いを馳せるきっかけにされてはいかがでしょうか。